近衛直麿

近衛直麿について

近衛直麿（このえ なおまろ、旧字体：近󠄁衞 直麿󠄁）は、1900年8月30日に東京で生まれました。彼は詩人、ホルン奏者、雅楽研究者としての多彩な才能を持ち、伝統音楽への深い理解を示しながら、自身の独自のクリエイティビティを発揮しました。また、後陽成天皇の男系子孫でもあり、歴史的な背景を持つ人物でもあります。

生い立ちと教育

近衛は公爵近衛篤麿の三男として、東京の永田町で育ちました。母は加賀前田家の一族出身の貞子（もとこ）です。彼は1907年に学習院初等科に入学し、のちに学習院中等科に進学しますが、叔父の津軽英麿伯爵の取り計らいにより、養子となることになりました。しかし彼自身はこれに対して反発し、学校を退学して朝鮮に向かうことになります。

その後の彼は、京城中学校に入学した後、さらなる転校を経て、旧制暁星中学校に在籍しながら詩作に励みます。当時の友人には今東光や津島文治が含まれています。しかし、直麿はその後学業をほぼ放棄し、遊興の世界に身を投じるようになります。これは、彼の兄の助言によるものでした。

創作活動と音楽の道

1918年に暁星中学校を中退した後、彼は早稲田大学に入学しましたが、1919年に叔父の死により、養子縁組が破談となります。1920年に彼は詩集『和絃』を出版しますが、その後創作から遠ざかり、雑誌『象徴』を設立し、小説や劇の研究に没頭しました。この時期から彼はホルンの独学を始め、以後音楽活動にも積極的に関与していきます。

特に1922年、東京帝国大学管弦楽団の一員として演奏旅行に参加し、彼の音楽キャリアは一層充実していくことになります。1925年には日本交響楽団や新交響楽団に参加し、ホルン奏者としての名声を得ていきました。しかし、プライベートでは若い女性と結婚し、世間からの注目を浴びることとなります。彼女との結婚は正式なものではなく、社会的な問題を引き起こしました。

晩年と雅楽への探求

1929年には健康を害し、入院します。結核性の疾患により交響楽団を退団し、その後療養しながら雅楽の研究を始めます。音楽学者との論争や雅楽愛好者のための協会の設立など、彼の活動は多岐にわたりました。直麿は1932年にラジオドラマを書いたものの、その年に病院で亡くなることになります。

彼の多彩な才能や、創作活動には多くの人々に影響を与えたことが知られています。異母兄である近衛文麿からは、彼の才能を評価されつつも、生活態度についての批判も受けていたようです。近衛直麿の業績は、後の世代にも大きな影響を与え続けています。

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