近鉄ハーツ

近鉄ハーツの概要と歴史

近鉄ハーツは、大阪府東大阪市西岩田に位置していたオープンモール型のショッピングセンターであり、1991年に開業しました。この施設は近畿日本鉄道（近鉄）がプロデュースし、運営は近鉄商業開発が担当しました。当初、近鉄ハーツは日本初の「パワーセンター」として注目を集めましたが、2010年の3月31日をもって閉館しました。

開設までの背景と特徴

近鉄ハーツが開設された場所は、1952年から1982年まで存在した近鉄玉川工場の跡地でした。この工場は1986年に廃止され、その後は大阪モノレールの延伸計画のために用地として保持されていました。しかし、計画は長期間にわたって具体化されず、その結果、ショッピングセンターが建設されることになりました。

開業当初、近鉄ハーツは独自の「生活遊楽村」というコンセプトを掲げ、平屋または2階建ての建物が12棟並ぶ緑に囲まれたオープンモールを形成しました。ここには複数のディスカウント系専門店が入居し、特に若者向けの洒落たデザインが施されていました。また、店舗はすべて独立した建物で構成されており、開放感を感じさせる空間づくりがなされていました。

しかし、当初の期待とは裏腹に、「パワーセンター」としての認識は次第に薄れていきました。理由として、カテゴリーキラーと呼ばれるような大規模ディスカウント店舗が存在せず、値引き競争よりも専門性や独自性を重視した品揃えであったことが挙げられます。また、交通アクセスにおいては鉄道の利用が可能でしたが、駐車場の収容台数が少なかったため、集客には限界がありました。

閉鎖とその後の変化

近鉄ハーツは、開業から約15年後の2010年に閉館に至ることになります。閉鎖の時点では、かつての活気が失われ、多くの店舗が撤退していました。跡地については、新たに「ニトリモール東大阪」として2011年にオープンしており、ニトリやスーパービバホームなどの新しいテナントが中心となっています。

代表的なテナント

開業当時、近鉄ハーツには多様な店舗が入居していました。たとえば、アウトドアグッズや雑貨を取り扱う「ハンティング近商ストア玉川店」、自然をテーマにしたファッション雑貨の「アイム」、輸入雑貨を提供する「ビックス」などがありました。他にも、電化製品を扱う「ニノミヤ」やスポーツ用品の「ヴィクトリア東大阪店」、様々な飲食店も入居していました。

主な飲食店には、ダスキンが運営するテーマレストランの「カーニバルプラザ東大阪スタジアム」があり、中央にはメリーゴーランドが設置されるなど、家族連れにも人気を得ていました。また、クレープとパスタを楽しめる「ブルターニュ」やブラジル料理の「ラッサドール」も注目されていました。

閉館後の動向

近鉄ハーツの閉館後、跡地は新しいショッピングモールに生まれ変わり、地域経済にも新たな活力を与えています。また、玉川工場の業務は五位堂検修車庫に引き継がれ、この地域における近鉄の役割は続いています。

結論

近鉄ハーツは、日本初のパワーセンターとしてオープンし、多くの顧客に愛されたショッピングセンターでしたが、時代の移り変わりに伴い、その存在意義が変わり、ついには閉鎖に至りました。現在は新たなモールがその跡地に位置し、新しい形で地域に貢献しています。

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