近鉄1230系電車

1230系電車の概要

近畿日本鉄道（近鉄）が1989年に導入した1230系電車は、一般的な通勤形電車として知られています。この車両は、標準軌線共通仕様のVVVFインバータ制御車で構成され、2両編成の設計となっています。1230系は、管理機関として日立製作所製の制御装置を搭載しており、大阪線用の1220系が基となっています。1233系をはじめとする複数の派生形式も登場しており、それに応じた多様な仕様が存在します。

形式別概説

1230系

1989年7月に登場した1230系は、アルミ車体を用いたVVVFインバータを採用し、標準軌の全線共通仕様を意識して設計されています。1200系を基にしており、大阪・名古屋線と奈良・京都線の車両転配が容易になるよう、機器類の配置などを共通化しています。電算記号も奈良線および京都線所属の車両にはVE、大阪線および名古屋線所属にはVCが付与されています。

新造車両は1276Fまで製造されましたが、1277Fは別の編成からの改造車両として編入されたものです。台車には、21000系に倣って新たに設計されたKD-96形を用い、さらに後期型の場合はKD-306形のボルスタレス台車を採用しています。また、動力には中期型はMB-5035-A型を、後期型ではMB-5035-B型が使用され、歯車比の変更も行われています。

1230系と1233系の間では、製造過程での仕様変更があり、1233系は、1230系からさらに改良を重ねた派生系列にあたります。

1233系

1233系は1230系の派生系列として1989年7月に登場し、新しいアルミ材を使った車体設計や、改良型のKD-96B型、KD-96C型の台車を特徴としています。また、車両ごとに車いすスペースが設けられているなど、利用者に配慮した仕様となっています。

その他の派生系

• - 1249系（1992年2月登場）：静止形インバータ装置を搭載し、補助電源装置を新設しました。
• - 1252系（1993年3月登場）：ディスクブレーキを備えたボルスタレス台車で、効率性を兼ね備えています。
• - 1253系（同年登場）：踏面清掃装置を搭載し、1軸2ディスクのブレーキが特徴です。
• - 1240系と1259系は2001年および2003年に講じられた名古屋線ワンマン運転対応改造ながら、新たな車両として世に出ました。

1020系とその派生

1991年11月には、日立製GTO素子インバータ装置を用いた1020系が登場しました。これは4両および6両編成に対応しており、それぞれ電算記号VL、VHが付けられています。1993年からは、1026系としても分類されるようになり、技術的な洗練が進められました。

改造・更新

近鉄では、各路線における車両の改造も進められています。転落防止のための装置設置やバリアフリー化など、利用者のニーズに応じた対応が求められています。

運行状況

運用面でも、1230系電車は大阪・名古屋・奈良・京都など幅広く使用されています。特に、名古屋線系統ではワンマン運転への対応が求められ、運賃表示器の設置やスピーカーの取り付けが行われています。

さいごに

1230系とその関連系列は、近畿日本鉄道の鉄道網において重要な役目を果たしており、近代化が進む中でさらなる発展が期待されます。これまでの設計と改良作業が、今後の利便性向上にも繋がるでしょう。

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