近鉄6400系電車

近鉄6400系電車

近鉄6400系電車は、近畿日本鉄道（近鉄）が南大阪線系統で使用するために製造した通勤形電車です。同時期に登場した3200系と同様に、車体幅を2,800mmに拡大し、車体構造にはアルミ合金を採用することで軽量化を図っています。

概要

1986年に登場した6400系は、老朽化した6800系の置き換えを目的として製造されました。GTOサイリスタ素子を用いたVVVFインバータ制御を採用したことが特徴で、これにより省エネルギー化と乗り心地の向上が図られました。車内は、同時期に製造された3200系と同様のデザインを踏襲し、座席の改良などが行われています。

6400系をベースに、様々な仕様変更が加えられた派生系列も存在します。

6407系: 台車を改良し、乗り心地の向上を図った系列です。
6413系: 車椅子スペースを設置するなど、バリアフリーに対応した系列です。
6419系: 補助電源装置を静止形インバータ（SIV）に変更した系列です。
6422系: ボルスタレス台車を採用し、乗り心地の向上とメンテナンスの省力化を図った系列です。
6432系: ワンマン運転に対応した系列です。

車体・走行機器

車体は、裾絞りのあるアルミニウム合金製で、幅2,800mmの拡幅車体となっています。制御装置には、日立製作所製のGTO素子を用いたVVVFインバータ装置を採用しています。主電動機は、1台あたり155kWの出力を持つかご形三相誘導電動機です。台車は、KD-94形またはKD-98形を装備しています。

改造

近年では、バリアフリー対応工事や車内案内表示器の設置、VVVFインバータ制御装置の更新などが順次行われています。2023年からは内装リニューアルと方向幕のフルカラーと先頭車に落下防止幌装置が取り付けられるA更新工事も行われています。

編成

2024年4月1日現在、33編成66両が古市検車区に配置されています。2両編成という汎用性の高さを活かして、南大阪線・吉野線・御所線・長野線・道明寺線の全区間で使用されています。

6620系

6620系は、6400系の4両編成バージョンとして1993年に登場しました。6000系の置き換え用として製造され、6400系と同様にVVVFインバータ制御を採用しています。6623F以降は、1620系、1020系と同様に母線の引き通しが行われ、各車パンタグラフ1基搭載になりました。

ラッピング列車

過去には、様々なラッピングが施された編成も存在しました。

6623F：「YOSHINO Foresta」
6624F：「solaha」
6625F：「不思議の国のアリス」
6626F：「吉野線ラッピング旬彩列車」
6622F：「あすか万葉トレイン」

運用

6400系・6620系ともに、南大阪線系統の普通列車から急行列車まで幅広く使用されています。6400系は2両編成であるため、ワンマン運転にも対応しています。特に、2両のワンマン運転は現状6400系専用となっています。

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