近鉄7000系電車

近鉄7000系電車

近鉄7000系電車（きんてつ7000けいでんしゃ）は、近畿日本鉄道（近鉄）が運行するけいはんな線向けの通勤型電車です。この車両は、Osaka Metro中央線にも乗り入れることができる設計が施されており、直流750Vの第三軌条方式を採用しています。この方式は、大手私鉄においては初めての導入となります。

概要

近鉄7000系の愛称は「スーパー・エレクトロニック・コミューター」であり、1986年に通商産業省のグッドデザイン商品として選定され、1987年には鉄道友の会からローレル賞を受賞しました。これは鉄道車両として初の快挙でした。その編成は、先頭車両から中間車両、最後尾車両までの6両から構成されており、将来的には8両編成にも対応可能な設計になっています。2021年時点で、9編成54両が東花園検車区に配置されています。

車両のデザイン

近鉄7000系の車体は全普通鋼製であり、大阪市営地下鉄に基づいた寸法を持つため、他の近鉄標準車両よりも短いですが、幅は最大の2,900mmを誇ります。このため、車内空間を効率的に利用することができます。正面は貫通扉を装備し、塗装はパールホワイトを基調にオレンジと青の帯が特徴です。

車内構造

車内はロングシートが配置され、内装にはオレンジ色のモケットとレザー調の袖仕切りが採用されています。照明はグローブ付きのタイプで、安全性とデザイン性を両立させています。また、運転台にはツーハンドル式の制御機器が備わっており、勾配でのスタートもスムーズに行えるよう設計されています。

機器概要

7000系は、主電動機として三菱電機製のかご形三相誘導電動機を4基搭載しています。また、制御装置にはGTO素子VVVFインバータ制御が採用され、異常時には故障した部分のみを切り離すことができます。このため、特に勾配区間での制動性能や再加速性能が向上しています。

改造と更新

7000系は、2004年から2006年にかけて車体更新が行われ、外装や内装が7020系と同じデザインにされました。この更新では、行先表示器のLED化と車内案内表示器の設置も行われ、バリアフリーへの対応も進められています。

現状

最初の試作車が1984年に登場し、1986年には全体が運行を開始しました。その後、追加の増備があり、量産車も含めて様々なデザインが採用されています。また、ラッピング車両としての利用も見られ、地域との連携を重視した運行が行われています。特に7104Fと7105Fは広告車両として知られています。

近鉄7000系電車は、機能性とデザイン性を兼ね備えた電車として、多くの利用者に親しまれ、今もなお地域交通の重要な役割を果たしています。

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