迷探偵ドルーピーの大追跡

迷探偵ドルーピーの大追跡：カナダから太平洋へ続く、逃亡劇と追跡劇

1946年、[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]所属のアニメーター、テックス・アヴェリー監督によって世に送り出された『迷探偵ドルーピーの大追跡』(原題:Northwest Hounded Police)は、ドルーピーとオオカミの息詰まる追いかけっこを描いたアニメーション作品です。1943年の作品『つかまるのはごめん』を彷彿とさせる演出やセリフも随所に散りばめられており、シリーズファンにも馴染みのある展開が楽しめます。

物語の舞台：カナダから太平洋の孤島へ

物語は、アルカトラズ刑務所を思わせる施設からオオカミが脱獄する場面から始まります。カナダへと逃亡したオオカミは、さらに北へと逃走を試みます。そこに現れるのが、騎馬警察のマクプードル巡査。そう、彼こそがドルーピーです。

任務を言い渡されたドルーピーは、単身オオカミの追跡を開始します。オオカミは、顔を変えたり、画面からはみ出しそうになりながら、太平洋に浮かぶ孤島まで逃げようとしますが、ドルーピーの追跡は執拗で容赦がありません。

ドルーピー：探偵の名にふさわしい活躍

今作でドルーピーは「マクプードル巡査」という役名で登場します。オープニングでは「ドルーピー」の名前やイラストは一切表示されません。しかし、オオカミの逃亡先にいつも先回りしていることから、日本でのタイトルに「探偵」という言葉が使われたのは、原題にはない要素を付け加えたものと考えられます。ドルーピーの、オオカミを執拗に追跡する姿は、まさに「名探偵」と呼ぶにふさわしい活躍と言えるでしょう。

オオカミ：必死の逃亡劇

一方のオオカミは、脱獄後も巧妙な手段を用いて逃亡を図ります。様々な変装を繰り返し、ドルーピーを翻弄しようとしますが、ドルーピーの粘り強い追跡を振り切ることはできません。その必死の逃亡劇は、見ている者をハラハラさせ、同時に笑いを誘います。

スタッフと制作

本作の監督は、テックス・アヴェリー。制作総括はフレッド・クインビー、アニメーション制作にはレイ・エイブラムズ、プレストン・ブレア、ウォルター・クリントン、エド・ラブといったそうそうたるメンバーが参加しています。脚本はヘック・アレン、音楽はスコット・ブラッドリーが担当しています。

放送とソフト化

『迷探偵ドルーピーの大追跡』は、TBS系で放送された『トムとジェリー』番組内で放映されました。また、VHS『トムとジェリー ドルーピーといっしょ VOL.2』、DVD『迷探偵ドルーピーの大追跡 編』、DVD『トムとジェリー VOL.4』の特典映像など、様々なソフトに収録され、現在でも楽しむことができます。

まとめ：時代を超えて愛される名作

『迷探偵ドルーピーの大追跡』は、ドルーピーとオオカミの追いかけっこを通して、ユーモラスでスリリングな展開が繰り広げられる傑作アニメーションです。時代を超えて愛され続ける理由が、この作品を観ればきっと理解できるでしょう。シンプルながらも完成度の高い作品は、何度観ても飽きることがありません。

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