追加面

追加面とは

追加面（ついかめん）、補足面（ほそくめん）、補助面（ほじょめん）は、ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646およびUnicodeにおいて、基本多言語面（BMP）以外の領域を指す用語です。

概要

当初、Unicodeは基本多言語面のみで全ての文字を表現することを目標として設計されました。しかし、その容量の限界から、基本多言語面に収まりきらない文字を収録するための追加面が必要となりました。これにより、より多くの文字を符号化できるようになり、文字コードの表現力が大きく向上しました。

符号化

追加面の文字は、2バイト固定長のUCS-2では使用できません。これらの文字は、UTF-8、UTF-16、UTF-32といった符号化方式において、4バイトで表現されます。特に、UTF-16ではサロゲートペア（代用対）という特殊な仕組みを利用して符号化されます。

現在定められている追加面

2009年現在、UnicodeとISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646で定められている追加面は以下の通りです。

第1面 (Plane 1): 追加多言語面 (Supplementary Multilingual Plane; SMP)
歴史的な文字や数学記号、音楽記号などが収録されています。
第2面 (Plane 2): 追加漢字面 (Supplementary Ideographic Plane; SIP)
基本多言語面には収録しきれなかった漢字が収録されています。
第3面 (Plane 3): 第三漢字面 (Tertiary Ideographic Plane; TIP)
さらに追加の漢字が収録されています。
第14面 (Plane 14): 追加特殊用途面 (Supplementary Special-purpose Plane; SSP)
特殊な用途に用いられる文字や記号が収録されています。
第15～16面 (Plane 15-16): 私用面
ユーザーが自由に文字を定義できる領域です。

歴史

追加面の登場には、UnicodeとISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646の規格策定における歴史的な経緯が深く関わっています。

1991年10月: Unicodeの最初の版であるUnicode 1.0.0が制定されました。この時点では、基本多言語面のみで全ての文字を表現する想定で、追加面は存在していませんでした。
1993年5月: ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646の最初の版であるISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646-1: 1993が制定されました。Unicodeとは異なり、最初から追加面の存在を想定した設計でした。
1996年7月: Unicode 2.0でサロゲートペア（代用対）が導入されました。これにより、追加面の存在が可能になりました。しかし、この時点では各面の具体的な名称や用途は定められていませんでした。
2001年: Unicode 3.1（3月制定）およびISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646-2:2001（11月制定）で追加漢字面、追加多言語面、追加特殊用途面の具体的な内容が定義され、文字の割り当てが開始されました。

追加面の重要性

追加面の導入により、UnicodeとISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646は、より多くの文字を符号化できるようになり、多言語対応能力が向上しました。特に、漢字圏の言語において、非常に多くの文字を網羅することが可能となりました。

関連事項

Unicode: 文字コードの業界標準です。世界中の文字をコンピューター上で扱うための共通の規格を提供しています。
ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646: 国際標準化機構（ISO）と国際電気標準会議（IEC）が共同で策定した文字コードの国際規格です。Unicodeと互換性があります。

このように、追加面はUnicodeとISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646の柔軟性と表現力を高める上で不可欠な要素となっています。

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