私用面

私用面とは

私用面とは、ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646 および Unicode における追加面の一つであり、具体的には第15面と第16面を指します。これらの面は、規格において文字が定義されていない私的な領域として、ユーザーが自由に文字や記号を定義するために設けられています。

私用領域の概念

Unicode には、私用領域（Private Use Area, PUA）と呼ばれる領域が存在します。これは、規格で定義されていない文字（外字）を、当事者間の合意に基づいて自由に定義できる場所です。私用領域は、標準規格には含まれないため、その内容は各個人、組織、ソフトウェアベンダーに委ねられています。この私用領域に定義された文字を、私用文字と呼びます。

私用領域は、基本多言語面（BMP）の一部である U+E000–U+F8FF と、第15面、第16面 (U+F0000–U+10FFFF) に割り当てられています。このうち、私用領域のみに使用される面（すなわち、第15面と第16面）を、特に「私用面」と呼びます。

ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646 における私用領域

ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646 では、2002年の改訂以前には、第0群第224–255面（E00000–FFFFFF）および第96–127群（60000000–7FFFFFFF）も私用領域として扱われていました。これらの面も、当時は「私用面」に含まれていました。

符号化方式

私用面は、2バイト固定長方式の UCS-2 では扱うことができません。しかし、UTF-8、UTF-16、UTF-32 のいずれの符号化方式でも使用可能です。これらの符号化方式では、私用面の文字は4バイトで符号化されます。特に UTF-16 では、サロゲートペア（代用対）と呼ばれる特殊な方法で表現する必要があります。

私用面の利用

私用面は、主に以下の目的で利用されます。

特殊な記号や文字の定義: 特定の分野やコミュニティでのみ使用される記号や文字を定義します。
外字の作成: 既存の文字コードに含まれない文字を独自に作成します。
特殊な用途への割り当て: 特定のソフトウェアやシステムで独自の文字コードを割り当てます。

注意点

私用面は、その性質上、異なるシステム間での互換性が問題となる場合があります。私用面で定義された文字は、その定義が共有されていない環境では正しく表示されない可能性があります。そのため、私用面を使用する際には、当事者間での合意と、情報の共有が重要となります。

関連用語

Unicode: 世界の文字を統一的に扱うための文字コード規格。
ISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646: Unicode と互換性のある国際的な文字コード規格。
基本多言語面（BMP）: Unicode の最初の面であり、最も一般的な文字が収録されている。
追加面: 基本多言語面以外の Unicode の面。
追加多言語面（SMP）: Unicode の第1面。
追加漢字面（SIP）: Unicode の第2面。
第三漢字面（TIP）: Unicode の第3面。
* 追加特殊用途面: Unicode の第14面。

私用面は、文字コードの柔軟性を高めるための重要な機能ですが、その利用には注意が必要です。適切に使用することで、さまざまなニーズに対応できます。

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