追浜ワークス

追浜ワークス（おっぱまワークス）

追浜ワークスは、1960年代から1970年代にかけて日産自動車が展開したモータースポーツにおける重要なチームの一つです。このチームは神奈川県横須賀市に位置する追浜工場内の総合研究所に所属し、多彩なドライバーとともに数々のレーシングマシンを開発しました。

起源と歴史

追浜ワークスの始まりは1963年に遡ります。この年、日産社内に設立された「実験部第3実験課」がその実質的な起源とされています。当初の課長は、1958年にオーストラリア・モービルガス・トライアルでのクラス優勝で知られる難波靖治が就任しました。彼のリーダーシップの下、追浜ワークスはモータースポーツ界に足を踏み入れました。

1966年には日産がプリンス自動車と合併し、組織が改編されました。この結果、追浜ワークスは「特殊車両部第1実験課」という名称に変わり、ラリー活動に専念することとなりました。その一方で、プロトタイプレース用の車両は旧プリンス側の「特殊車両部第2実験課」が担当することになりました。このため、メディアでは両者をひっくるめて「追浜ワークス」と称することが多くなります。

車両と活動

第2実験課が担当したR380 - R383といったプロトタイプレーシングカーの開発に対し、第1実験課はサファリラリー等の国際ラリーに参戦するマシンの開発を行いました。これにより、追浜ワークスは「一軍」とされ、他方で日産宣伝部管轄の大森ワークスはツーリングカーやGTカーのレースを行っていました。

1970年には日産が排ガス対策のため、日本グランプリへの参加を取りやめたことを受け、第2実験課はツーリングカーの開発にシフトしました。この頃から、両ワークスの間には競争意識が芽生え、スカイライン2000GT-RやフェアレディZなどの名車が生まれる背景となりました。しかし、1974年のオイルショックにより、日産はツーリングカーレースから撤退し、第2実験課も実質的に活動を停止しました。

1970年代後半、環境規制への対応を優先する日産の方針により、モータースポーツ関連の予算が削減され、村山の第2実験課は解散。機能は追浜の第1実験課に統合されましたが、ラリー活動は引き続き続行され、1979年から1982年にかけてのサファリラリーでの連覇を達成しました。この時期にはフォーミュラカー分野への参戦も行われていました。

1980年代以降

1980年代に入ると日本の景気が回復し、追浜ワークスは再びサーキットレース用の車両開発を行うようになりました。しかし、1984年に日産がモータースポーツ活動をNISMOに集約したことにより、追浜ワークスはその歴史に幕を閉じることとなりました。

主な所属ドライバー

追浜ワークスには多くの優れたドライバーが在籍しました。著名なドライバーには、田中健二郎、北野元、高橋国光、黒沢元治が含まれます。田中は1965年に加入し、その経歴の中で1964年の日本グランプリに参加しました。高橋と北野も1965年に異なる経緯で加入し、共に追浜ワークスの歴史を築きました。最終的に追浜ワークスは閉幕しましたが、その名は日本モータースポーツの歴史に深く刻まれています。

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