追跡者 (1974年のテレビドラマ)

『追跡者ハリー・オー』は、1973年から1976年にかけてアメリカABCで放映されたハードボイルド探偵ドラマです。全46話（パイロット版2話を含む）で、各話60分のカラー作品として制作されました。

概要

ドラマは、主人公ハリー・オーウェルのオープニングナレーションから始まります。かつて刑事だった彼は、事件で負った傷の後遺症に苦しみ、退職を余儀なくされます。年金暮らしをしながらも、生活のために探偵事務所を開設し、様々な事件に巻き込まれていくというストーリーです。

日本では、1975年からNETテレビ（現テレビ朝日）で『追跡者』というタイトルで放映されました。その後、東京12チャンネル（現テレビ東京）での再放送時には『追跡者ハリー・オー』と改題されています。

パイロット版

シリーズに先駆け、2本のパイロットフィルムが制作されました。1本目は1973年3月11日に制作された『Such Dust As Dreams Are Made On』、2本目は1974年2月3日に制作された『Smile Jenny, You're Dead』です。しかし、日本で放映されたのは2本目のパイロット版のみでした。この作品は『追跡者』として洋画劇場で放映され、ハリー・オーを演じるデビッド・ジャンセンの吹き替えは、テレビドラマ『逃亡者』と同じく睦五郎が担当しました。

シリーズ構成

テレビシリーズは、全44話で構成されています。第1シーズンは全22話、第2シーズンも全22話で、全てのエピソードが日本でも放映されました。物語の舞台は、第1話から第13話まではサンディエゴでしたが、第14話からはロサンゼルスへと変更されています。これは、サンディエゴでの撮影費用が高額になるという制作上の都合によるものでした。

日本語吹替版

日本語吹替版は、その完成度の高さから伝説となっています。納谷悟朗、中田浩二、家弓家正といった名声優たちの演技は、視聴者を魅了しました。また、哀愁漂うシーンでは、映画『アイガー・サンクション』のテーマ曲（作曲：ジョン・ウィリアムズ）が効果的に使用され、ドラマの雰囲気を盛り上げていました。

制作スタッフ

製作：アレックス・ビートン、ロバート・ドジエ、バック・ホートン、ロバート・E・トンプソン
製作総指揮：ジェリー・ソープ
監督：リチャード・ベネディクト、ダリル・デューク、ハリー・フォーク 他
音楽：ビリー・ゴールデンバーグ、キム・リッチモンド、J・J・ジョンソン、ジョン・ルービンスタイン、リチャード・クレメンツ 他
* テーマ曲：ビリー・ゴールデンバーグ

エピソード

各エピソードでは、ハリー・オーが様々な依頼を受け、事件の真相を究明していきます。ハードボイルドな雰囲気の中にも、人間ドラマが織り込まれており、視聴者を引き込む要素が満載でした。

その他

当初、ハリー・オー役はテリー・サヴァラスにオファーされていました。しかし、サヴァラスが『刑事コジャック』の撮影でスケジュールが合わなくなり、代わりにデビッド・ジャンセンが起用されることになったという逸話があります。

日本語吹替版では、オリジナルのオープニングにはない独自のナレーションが追加されており、リアルタイムで視聴していたファンはそのナレーションを録音して楽しんでいたそうです。

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