送配電網協議会

送配電網協議会とは

送配電網協議会（そうはいでんもうきょうぎかい）は、日本における一般送配電事業者10社の連携を目的とした業界団体です。この団体は、電力事業の円滑な運営や、供給の安定化を図るために設立されました。送配電網協議会は、電気事業連合会から生まれたものであり、一般送配電事業者間の協力や、関係行政機関とのコミュニケーションを促進する役割を担っています。略称として「送配電網協」、「送配協」、あるいは「TDGC」といった呼び名も用いられます。

メンバー構成

この協議会には、次の10社が会員として名を連ねています。

• - 北海道電力ネットワーク株式会社
• - 東北電力ネットワーク株式会社
• - 東京電力パワーグリッド株式会社
• - 中部電力パワーグリッド株式会社
• - 北陸電力送配電株式会社
• - 関西電力送配電株式会社
• - 中国電力ネットワーク株式会社
• - 四国電力送配電株式会社
• - 九州電力送配電株式会社
• - 沖縄電力株式会社

事務所は東京都千代田区大手町の経団連会館に設置されており、法人格は持たない団体です。組織のTOPには非常勤の会長と副会長、常勤の理事を含む役員がいます。理事は9社の社長に加え、沖縄電力の常務取締役が就任する体制が敷かれています。

需給調整市場

日本における電力供給は、電気の周波数を一定に保つことが重要です。周波数が変動すると、機器の故障や停電のリスクが高まります。このため、送配電事業者は発電出力の調整を行う必要があり、そのための施設を「調整力」と呼んでいます。2016年4月以降、日本の送配電事業者は電力系統の周波数維持を義務付けられ、特に2020年4月以降は発電事業者と分離され、発電設備を所有しない体制へ移行しました。この状況下で、事業者は発電者から調整力を公募し、その対価を支払って契約する仕組みを構築しています。

さらに、2021年3月には電力需給調整力取引所が設立され、そこを通じて需給調整市場が開かれました。この市場を通じて、電力会社は必要な調整力を調達し、商取引を行っているのです。

歴史的背景

送配電網協議会の前身は、1951年に発足した電気事業連合会です。この連合会は、連合国軍の指導の下で実施された電気事業の再編成に伴い、9社によって設立されました。その後、電気料金の引き上げを巡る国民の反発を受けて、電気事業の再々編成に関する議論が生じました。1952年には、業界を守るために9社が団結し、再々編成を防ぐ活動を開始しました。1956年には電力融通協議会を結成し、電力の安定供給に向けた協力体制の構築に取り組みました。

2020年には、電気事業連合会内に送配電網協議会設立準備室が設けられ、10月には新たに送配電網協議会が本格的に発足しました。2021年4月には独立した団体として運営が始まり、各社の協力体制を強化しているのです。

最後に

送配電網協議会は、電力の安定供給を担う重要な団体として、日本国内の電力業界において欠かせない役割を果たしています。その活動は、広域的な協力や需給調整の促進を通じて、国民の日常生活を支える基盤となっています。

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