逆理の魔女

逆理の魔女

『逆理の魔女』は、雪野静によって執筆され、石川沙絵がイラストを担当したライトノベル作品です。集英社のスーパーダッシュ文庫から2009年9月に刊行されました。本作は、第8回スーパーダッシュ小説新人賞において佳作を受賞しています。

あらすじ

物語は、右目に本来見えないはずの怪異を映すことができる高校生、冥月空白（くらつき ましろ）が主人公です。彼はある日、学校の屋上で制服のスカートのまま逆立ちをしている少女、逆月雨坏（さかづき うづき）と出会います。雨坏は、校内では一匹狼として知られ、魔女というあだ名を持つ不思議な少女でした。彼女は空白が怪異を見ることができると知り、彼に自分の手伝いをするように頼み込みます。この出会いをきっかけに、空白はこれまで目を背けてきた『見えざる者』の世界へと足を踏み入れていくことになります。

登場人物

冥月 空白（くらつき ましろ）
本来見えるはずのない怪異を見ることができる右目を持つ高校一年生。16歳。雨坏との出会いをきっかけに、怪異の存在する世界に関わることになります。姉に振り回されがちですが、自身も強引な手段を嫌わず、必要となれば姉譲りの強引さを見せることもあります。

逆月 雨坏（さかづき うづき）
眼帯で右目を覆った少女。黒を基調としたファッションを好み、周囲との交流をほとんど持たないため、校内では魔女と呼ばれています。魔術の八大属性に属さない特異な属性である逆理の力を持っていますが、両親の他界後の修行不足と生まれつきのそそっかしさから、まだ半人前の域を出ていません。

冥月 空（くらつき そら）
空白の2歳年上の姉で、彼と同姓同字です。18歳で、空白や雨坏と同じ高校に通う三年生ですが、トップアーティスト『ソラ』として活躍しており、学校を休むことも多いです。類まれなる美貌の持ち主で、ミステリアスな女性として知られていますが、実際は突飛な思考回路の持ち主で、弟の空白を溺愛しています。生活能力は低いものの、行動力と運動能力は非常に高く、見えざる者たちを見ることもできます。また、空白に対して一方的な感覚共有能力を持っています。

来栖守 明澄（くるすもり あずみ）
雨坏の持つ逆理の力を監視するために、幻想総括機関から派遣された魔術師。教師として学校に潜入しますが、暴走したソラに打ちのめされ、トラウマを抱え、以降ソラには頭が上がらなくなります。

セフィア・グライディア
空白と雨坏が街で出会った銀髪の少女。体を蝕む怪異を病気だと信じています。

烏谷 兎（からすや うさぎ）
雨坏の持つ逆理の魔眼を狙う魔術師。探索系の魔術を得意とし、雨坏が魔眼の持ち主であることを突き止め、セフィアを利用して雨坏を捕らえようとします。

既刊一覧

* 雪野静（著） / 石川沙絵（イラスト） 『逆理の魔女』 集英社〈スーパーダッシュ文庫〉、2009年9月25日発売、ISBN 978-4-08-630506-8

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