通町 (高松市)

通町（とおりまち）

香川県高松市の中心市街地に位置する町丁の一つです。郵便番号は760-0046にあたり、住居表示に関する法律に基づく整備は行われていません。

地理

通町は、高松市役所からわずか0.9kmほどの都心部に広がっています。町の中央部を県道160号高松港栗林公園線が南北に縦断しており、この道路はかつて高松五街道の一つ、旧長尾街道の一部でした。町域はこの県道を挟んで東西に広がる両側町を形成しています。町境は、北側を県道159号高松港線、南側を大工町筋にあたる市道塩屋町錦町線によって区切られています。この区間の旧長尾街道が南北の町筋であることから、通町全体も南北に細長い形状をしています。

通町はまた、四国地方最大のアーケード商店街として知られる高松中央商店街（片原町商店街）のまさに東端に位置しており、アーケードの入口が面しています。町内には、オフィスが入居するビルが多く見られる一方、地域に根ざした庶民的な商店やスーパーマーケット（マルナカ通町店など）も立地し、多様な機能を持っています。町内に鉄道駅はありませんが、近隣にはことでん片原町駅があり、公共交通の利便性は比較的高いと言えます。

旧長尾街道及び旧志度街道は、内町の常磐橋（現在の丸亀町ドーム付近）を起点とし、片原町を東へ進んで通町に至ります。通町内で旧志度街道と分岐した旧長尾街道は南へ向かい、出晴（八坂神社の北側）で現在の県道160号から離れて南東へ進路を変えます。玉川（杣場川の上流部）に達した後、多賀神社前からは再び南進し、クランク状に東、南へと進み、御坊川で現在の長尾街道と合流して長尾方面に至るルートとなっていました。

隣接する町丁は以下の通りです。
北：野方町、鶴屋町
東：東浜町
南：多賀町、井口町
西：片原町

統計・その他

2010年の国勢調査によると、通町の人口は84人（男性30人、女性54人）、世帯数は53世帯でした。町域の面積は1万9587.99平方メートルであり、これに基づく人口密度は4288.3人/平方キロメートルとなります。

町内の公立小学校および中学校の校区は全域が高松第一小学校・中学校（小中一貫校）に属しています。

都市計画法に基づく用途地域としては、町内全域が容積率400%の商業地域に指定されています。

歴史

「通町」という町名の由来は、「旧街道（現在の片原町商店街）から舟入（現在の東浜港）へ通じる道筋にある町」という意味合いから来ています。

江戸時代、町は一丁目と二丁目に分かれていました。町名の由来にも示されるように、主要な街道と港を結ぶ地理的な優位性から、港を通じて国内のみならず海外からもたらされる多様な品々を扱う商人が集まり、活気あふれる商業地として栄えました。明治時代に入ってからも、その商業の伝統は引き継がれ、町内には多くの商店が軒を連ね、幅広い品揃えを誇っていました。

1890年（明治23年）2月15日、それまで城下町の集合体だった高松の区域を基に市制が施行され高松市が誕生すると、通町はその新たな市域の一部となりました。また、1906年（明治29年）8月には、町内に高松銀行が開業しています（この銀行は1924年3月20日に百十四銀行と合併しています）。

しかし、1945年（昭和20年）7月4日未明、第二次世界大戦末期のアメリカ軍による無差別絨毯爆撃「高松空襲」により、通町は甚大な被害を受けました。焼失率は100%に及び、町内は完全に灰燼に帰しました。空襲によって壊滅的な被害を受けた高松市中心部では、戦災復興のための土地区画整理事業が大規模に実施され、通町も「第一工区二次」としてその対象となりました。この事業により、町内の多くの街路が拡張・改良されました。この区画整理事業が完了し、換地処分公告が行われたのは1964年（昭和39年）1月25日のことです。

この地番整理の施行に伴い、町域にも変更がありました。1958年（昭和33年）には町域の一部が片原町に、そして1964年（昭和39年）には一部が東浜町一丁目〜三丁目および井口町にそれぞれ編入されました。同時に、新通町、片原町、鶴屋町、百間町、井口町、東浜町、野方町の各一部を通町に編入しています。

主要施設

町内に所在する主要な施設の一部を以下に示します（掲載順は地番順）。

中平歯科医院
ニューグランデみまつ
マルナカ通町店
東讃交通本社
香川銀行通町支店（※2020年1月14日にマルナカ松福店敷地内へ移転しています）

関連項目

高松市の町・字
* 高松市

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