通航一覧

『通航一覧』（つうこういちらん）は、江戸時代後期に林復斎によって編纂された日本の歴史書であり、特に外交史料を集めたものです。

概要

江戸幕府の命を受けた大学頭の林復斎らが中心となり、永禄9年（1566年）から文政8年（1825年）頃までの対外関係に関する史料を集成したもので、全350巻にも及ぶ大部なものです。嘉永6年（1853年）に復斎による序文があり、この頃に完成したと考えられています。

内容は国別に、かつ年代順に配列されており、『異国日記』などの史料も含まれています。蝦夷地（現在の北海道）関係の記述は、第7巻から第8巻の「魯西亜国部」にまとめられています。活字翻刻本は、国書刊行会から明治45年（1912年）から大正2年（1913年）にかけて全8分冊で刊行されました。

通航一覧続輯

黒船来航という未曾有の事態を受け、文政年間以後の外交資料を整理する必要が生じました。そこで、林復斎の長男である林鶯渓と、復斎の片腕として『通航一覧』の編纂に携わった宮崎成身が中心となり、『通航一覧続輯』（152巻）が編纂され、安政3年（1856年）に完成しました。こちらの活字翻刻本は、清文堂から昭和43年（1968年）から昭和47年（1972年）にかけて全5分冊で刊行されています。

『通航一覧』及び『通航一覧続輯』は、近世日本の対外関係、特に江戸幕府の外交政策や海外との交流の実態を知る上で、非常に重要な史料群です。編纂された背景や内容を理解することで、当時の国際情勢や日本が置かれていた状況をより深く理解することができます。

関連事項

歴史書
歴史書一覧

外部リンク

通航一覧（北海道大学附属図書館「日本北辺関係旧記目録」）
通航一覧続輯 （北海道大学附属図書館「日本北辺関係旧記目録」）

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