造形芸術

造形芸術（Plastic arts）とは

造形芸術、またはプラスチック・アートは、セラミックのようなモデリング可能な素材の造形技術を用いた芸術を指します。これは、絵画、彫刻、陶芸、建築、映画、写真といった視覚芸術を包括する用語として広く用いられています。

概要

造形芸術は、文学や音楽といった時間芸術とは対照的に、視覚的な表現を追求する芸術分野です。より具体的には、石、木材、コンクリート、ガラス、金属、粘土など、成形が可能な素材を用いた彫刻がその代表例と言えるでしょう。「プラスチック」という言葉は、合成有機樹脂の発明以降、これらの素材を指す言葉として定着しましたが、「プラスチック・アート」という用語自体は、それ以前から造形芸術を指す言葉として存在していました。

歴史

「プラスチック」の語源は、ギリシャ語の「plastikos（成形する、形作る）」に由来します。この言葉は、現代的な合成材料の意味合いよりも遥か以前から存在し、「プラスチック・アート」という用語も、歴史的に視覚芸術（絵画、彫刻、陶芸など）を指す言葉として用いられてきました。20世紀初頭には、近代絵画、特にポール・セザンヌの作品を論じる批評家によって、「可塑性」という関連用語が広く用いられるようになります。

1807年には、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・シェリングが「造形芸術」を彫刻や建築といった分野に限定して使用し始めました。驚くべきことに、最古の造形芸術は3万年から3万4千年前まで遡るとされています。

文学への応用

興味深いことに、ドイツの批評家アウグスト・ヴィルヘルム・シュレーゲル（1767–1845）は、この概念を視覚芸術だけでなく詩にも応用しました。彼は、古典的な詩の行間は成形的に区切られており、韻はロマン派の領域に属すると考えたのです。

シュレーゲルは、1827年に『造形芸術の理論と歴史について』として出版されたウィーン講義（1809年-1811年）の中で、古典芸術の造形主義と絵画的なロマン主義を対比させて論じています。

造形芸術は、素材の可塑性を活かし、多様な表現を可能にする奥深い芸術分野です。その歴史を紐解き、文学との関連性を知ることで、より深く造形芸術の魅力を理解することができるでしょう。

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