逢ひみての

アルバム『逢ひみての』

『逢ひみての』（あいみての）は、シンガーソングライターさだまさしが1993年10月25日に発表した、彼の19枚目となるオリジナルアルバムです。このアルバムは、同年11月から翌年3月まで開催されたさだまさしのデビュー20周年記念コンサートツアーでもタイトルとして使用されました。

概要

アルバムのタイトルは、平安時代の和歌に由来しています。具体的には、権中納言藤原敦忠の歌「逢ひみての後の心にくらぶれば　昔はものを思はざりけり」という言葉から取られています。さだまさしには『夢回帰線』というシリーズがありますが、この『逢ひみての』はその日本版とも言える内容です。作品には、北海道を起点として日本列島を南下し、最終曲が沖縄をテーマにしているという特徴があります。

音楽的には、前作『ほのぼの』から一層深く関わりを持ったギタリストの石川鷹彦と、さだの父でもある服部克久、さらには服部隆之がプロデュースを担当しています。前作同様、電子楽器やエレキギターを極力避け、アコースティックなサウンドが追求されています。このアルバムには、先行シングル「幸福になる100通りの方法」のB面となる「東京物語」も収められています。

収録曲の紹介

このアルバムには、以下のような楽曲が含まれています：

1. 北の国から'93
- 作曲：さだまさし、編曲：服部隆之
- ドラマ『北の国から』のテーマ曲のリメイクで、1993年版のタイトルです。

2. イーハトーヴ
- 作詩：さだまさし、作曲・編曲：石川鷹彦
- 故・宮沢賢治を敬う内容を持つ曲です。

3. 落日
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 夕日をトキの色で描写し、コンサートではエンディングにしばしば用いられています。

4. 時計
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 空港での思い出を題材にしています。

5. 東京物語
- 作詩：さだまさし、作曲・編曲：服部隆之
- 小津安二郎の映画に触発され、映画館でも放映された作品です。

6. 山ざくらのうた
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 画家の原田泰治と作家の椋鳩十へのオマージュが込められています。

7. 修二会
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 奈良の東大寺で行われる修二会をテーマにした曲です。

8. 心斎橋
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：服部隆之
- 恋人に対する後悔の意を歌った曲です。

9. 遍路
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 悲しい別れを描く内容です。

10. 吾亦紅
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 実在の分校を題材にした物語があります。

11. 広島の空
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：石川鷹彦
- 平和への願いを込めた楽曲です。

12. 理想郷（ニライカナイ）
- 作詩・作曲：さだまさし、編曲：服部隆之
- アルバムの締めくくりとして、冒頭の曲が再現されます。

このアルバムには、多彩な楽曲と共に、さだまさしが描く日本各地の情景や心情が存分に詰まっています。マークダウンによる表現を用いて、心温まる内容に仕上げられた作品として多くのファンに愛されています。

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