連合規約

連合及び永遠の連合規約

連合規約（Articles of Confederation and Perpetual Union）は、アメリカ独立戦争の際に形成された13植民地の協力と同盟を定めた重要な文書です。この規約は、新たに独立した国家としてのアメリカ合衆国の土台を築く役割を果たしました。

採択と発効

連合規約は、1777年11月15日に大陸会議で採択され、1781年3月1日に全ての邦の承認を受けて効力を発揮しました。この規約により、アメリカ合衆国の名称が正式に定められ、13邦を統括する連合会議の設置が規定されました。連合規約はアメリカの最初の連邦憲法とも呼ばれ、国の基本的な枠組みを構築しました。

構成と内容

連合規約は前文と13の条文から成り立っており、これらは各邦の権利、邦間の友好関係、人民の移動の自由などを定めています。具体的には、各邦が連合会議に派遣する代議員の規定、軍備や外交に関する制限、合衆国の国庫に関する事項などが含まれています。このように、邦間の協力と結束を促進する内容が盛り込まれていました。

批准までの道のり

ボストン茶会事件以降、13植民地はイギリスから独立することを決意し、同時に植民地間の連帯を維持するための同盟構築が進められました。大陸会議は独立宣言直後の1776年7月4日に同盟形成を目指し、起草委員会を設立しました。この過程で、ジョン・ディキンソンが連合規約の原案を作成し、1777年に採択されました。

規約の批准においては、西部領土に関する権利主張や土地投機業者の思惑が影響し、特にメリーランド州やニュージャージー州は西部領土の帰属に不安を抱いていました。複数の邦がその領土の所有権を争っていたため、批准には時間がかかりました。しかし、1781年にメリーランド州が批准したことにより、全ての邦の承認が得られ、連合規約が効果を発揮しました。

連合会議の権限

連合規約は、連合会議に外交、軍事、条約締結などの対外関係に関する権限を与えました。各邦は一票の権利を持ち、議決には9票の多数が必要でした。ただし、連合会議には課税権や常備軍を保持する権限がなく、各邦からの拠出金に依存した財政基盤は非常に脆弱でした。このため、外交的な立場も乏しかったのです。

意義とその後の改正

連合規約は各邦の権限を強調し、連合会議の権限を制限する内容となっています。大陸会議の権威が低下したことに伴い、独立後の邦は自主的な政府を立ち上げ、大陸会議の正統性を求める必要がなくなりました。しかし、連合規約下でも重要な条例が制定され、西部領地の管理や将来の州設立の枠組みが確立されました。

1786年には連合規約の改定が試みられましたが、必要な合意が得られず、最終的には1787年にフィラデルフィア会議が開催され、合衆国憲法が制定されることとなりました。この新憲法によって、連合規約の役割は終息し、合衆国はより強固な中央政府を持ち、成長を遂げることになります。

署名

連合規約の最終的な署名は1778年に行われ、各邦の代表者たちが署名しました。この過程で、各邦が連合規約を正式に受け入れ、国家の建設に向けた重要な一歩を踏み出しました。最終的に、13邦全てが合衆国憲法を批准したことにより、連合規約はその役割を終えました。

以上のように、連合規約はアメリカの歴史において重要な位置を占めており、その後の合衆国憲法制定に大きな影響を与えました。

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