連江県 (中華民国)

連江県の概要

連江県（リエンジアン）は中華民国の福建省に属する島嶼部です。この地域の中心となるのは馬祖島であり、そこには歴史的な背景と文化が色濃く残っています。なお、同名の県が中華人民共和国にも存在します。

地理

連江県は台湾海峡の北端、福建省の閩江河口に位置しており、南北方向に54キロ、総面積は約29平方キロメートルの島嶼群から成り立っています。この島嶼群には東引島、西引島、亮島、高登島など合計36の島があります。最も大きな南竿島は面積が10.64平方キロメートルで、中華人民共和国の福州からわずか16海里の距離に位置するため、歴史的にも重要な地域とされています。

気候

連江県は典型的な海洋性気候であり、四季が明確で、湿度が高いのが特徴です。春と秋が特に心地よく、観光に適した季節として知られています。

歴史

馬祖島はその名を宋代にまで遡ることができ、当初は南竿塘という名前で呼ばれていました。この名前は、媽祖信仰に由来しています。伝説によれば、宋の時代に林願という人物の娘が父を救うために海に出たが、悲しいことに父は遭難し、島に遺体が漂着したと言われています。その孝心を称え、地元の人々は廟を建てて媽祖として祀ったことから、馬祖島という名前が生まれました。

無人島だった馬祖は、元代に漁民が天然の良港を発見し、以降漁民の避難や水の供給地として使われるようになりました。明代になると漁民たちが定住し、村が形成されました。中華民国成立後は、南竿島や北竿島などに監倉が設置され、漁業振興が進められました。

日中戦争中の1937年には日本軍の占領下に置かれましたが、1945年に治安維持のための部隊が駐留しました。その後の1949年、国共内戦中には中華民国軍が島に進駐し、馬祖軍管区が関与しました。1950年には行政組織が改編され、1953年には連江県政府が設置されるなど、行政の変遷が続きました。

1967年には軍による統治が敷かれ、さらに東犬島や西犬島、羅源県が連江県に編入されました。1992年には戒厳令が解除され、地方自治が復活しました。

交通

連江県では海路と空路の交通手段があります。南竿島の福澳港及び東引島の中柱港からは基隆港へのフェリーが運航されています。また、小型船を利用して島嶼間の移動も可能です。空路では、南竿空港から台北や台中行きの便があり、北竿空港からも台北へ向かうフライトがあります。加えて、小三通として、南竿島と大陸間の航路も利用されています。

行政と教育

連江県では1993年から県長が選挙で決定されています。また、教育機関には国立台湾海洋大学馬祖校区や国立馬祖高級中学などがあります。

結論

連江県はその豊富な歴史と文化的背景を有し、自然美とともに訪れるべき場所です。海を囲まれたこの島嶼群は、観光や歴史的学びの場として多くの人々を引きつけています。

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