連環画

連環画の概要

連環画（れんかんが）は、20世紀初頭の中国において誕生した特有の絵本形式で、一連の物語を挿絵と見出し文を用いて表現した掌サイズの作品です。このような形式は中国の漫画のひとつと見なされており、特にその美しいイラストや物語の伝え方が特徴です。

歴史的背景

連環画の技術的なルーツは、1880年代の中国の新聞に掲載された『点石斎画報』の中に見ることができます。また、1884年には、甲申事変を題材にした10枚の絵画が登場し、これが連環画の先駆けとされています。さらに、1899年には上海文益書局が発表したリトグラフ印刷の絵物語である『《三国志演義》全図』も重要な作品です。この当時、連環画は「回回図（回回图、huihui tu）」と呼ばれていました。

中華民国成立後、連環画は急成長を遂げるのですが、この頃にはまだ「連環画」という用語は定着していませんでした。1925年から1929年の間には、上海世界書局が発行した『西遊記』『水滸伝』『三国志演義』『封神榜』『岳伝』などが登場し、これらには「連環図画（连环图画、Lianhuan tuhua）」という文字が記載されていました。この表現が、後の「連環画」という名称の初めての使用とされています。

この時期の連環画は、中国の神話や古典文学、さらには演劇を題材にすることが多く、トーキー映画の普及により、キャラクターのセリフが絵に書き込まれることもありました。興味深いことに、この時代に特筆すべき連環画が登場します。葉浅予の『王先生』（1929年）や、張楽平の『三毛流浪記』（1935年）などがその例です。

これらの連環画は街の貸本屋で安価で借りられるもので、1920年代には香港でも多く出版されるようになり、1940年代の日本占領時代でも目にすることができました。

連環画の衰退

しかし、この形式は「無教養で下品なもの」とみなされるようになり、1970年代には香港において実質的に姿を消していきます。同様に中国大陸においても、文化大革命によりその人気は衰退しました。この時期には、水滸伝などが民衆教育の手段として連環画形式で出版されましたが、その内容には政治的な制約があり、深みを欠くものでした。

1980年代には連環画復活の試みが行われますが、映画やテレビメディアの急速な発展により、青少年の間で外国の漫画やアニメの人気が高まり、連環画はもはや主要な娯楽手段とはなり得ませんでした。結果として、その復活は難しくなったのです。

参考文献

• - 関連項目としては「中国の漫画」や「連環画報」などがあります。さらに、連環画の画像サイトについてはウェイバックマシンにて保存された2009年のアーカイブが有用です。

もう一度検索