連翠

連翠（れんすい）は、皇居宮殿に存在する殿舎の一つで、主に公賓の接遇や、陪食といった用途で使用される小食堂です。

皇居宮殿には、大規模な饗宴を行うための施設として豊明殿が存在しますが、少人数の賓客をもてなすには広すぎるため、より規模の小さい食堂として連翠が建設されました。

連翠という名称は、中国の古詩から引用されたもので、その由来は、連翠の位置する場所から西側を眺めると、道灌濠や紅葉山、そして吹上御苑の豊かな木々が一望でき、建物がその森林の緑に連なっているように見えることに由来します。

場所は豊明殿の西側に位置しており、連翠と豊明殿の間には、厨房として機能する大膳や、泉の間といった施設が配置されています。

連翠の室内面積は371平方メートルであり、中央には可動式の間仕切壁が設置されています。この間仕切壁を移動させることで、食堂として使用する連翠北と、談話室として使用する連翠南という二つの空間に区切ることが可能です。それぞれの用途に応じて、空間を柔軟に使い分けることができる設計となっています。

連翠は、皇居における賓客への細やかなもてなしを象徴する、静かで落ち着いた空間です。

参考文献

* 『宮殿』毎日新聞社、1969年

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