進め!ジャガーズ 敵前上陸

映画『進め!ジャガーズ 敵前上陸』の概要

『進め!ジャガーズ 敵前上陸』は、1968年に公開された日本映画であり、グループ・サウンズのバンド「ザ・ジャガーズ」が主演を務めています。この映画は、メンバー全員が実名で役を演じ、さらに空想的な要素を取り入れたアクションコメディとして特徴づけられています。

製作に関する背景

本作は、最初はザ・スパイダースが主役を務める予定でしたが、製作途中でキャスティングが変更されました。資金面の都合から急遽ヒガシマル醤油との協賛が決まったため、映画内にはCMシーンも登場します。製作の詳細な経緯に関しては、脚本を担当した小林信彦が著作「コラムの冒険」で語っています。また、彼の短篇小説「根岸映画村」には製作の背景が描かれています。

キャストに関しては、てんぷくトリオが小林の推薦で起用され、伊東四朗が主役の仲間役を務め、三波伸介と戸塚睦夫は悪役として配役されました。三波は、撮影後に小林に対し、今後は悪役ではない役を希望する旨を述べています。鬼頭役には、当初三島由紀夫が交渉されましたが、スケジュールの都合で内田朝雄に決定しました。

映画の内容とストーリー

ストーリーは、ホテルの公演大会に出演中の信（岡本信）が、金の密輸業者に巻き込まれ、命を狙われるというものです。信は、ホテルのボーイである伊東によって救われますが、二人はノイローゼに陥ります。信を愛する歌手アキが、友人の兄で警部に助けを求めます。密輸団は信を抹殺しようとしますが、様々な事件が起こり失敗します。

ジャガーズのメンバーが八王子のサマーランドで演奏している最中、暗殺者たちがビキニ姿で信を狙いますが、何かとトラブルにより計画は失敗。次に彼らは大町温泉へと向かいますが、そこで信は鬼頭の娘である美少女雪子と出会います。だが、鬼頭が手下を引き連れ、信に襲い掛かります。ピンチの中、雪子が信を助けますが、悲劇的に彼女は命を落とします。

ショックを受けた信は、「硫黄島こそが密輸業者の本拠地だ」と雪子の言葉を頼りに、ジャガーズの仲間と共に硫黄島へ向かいます。過去の戦場で鬼頭たちと対峙し、元日本軍の生き残りである橘軍曹の助けを借りて、なんとか密輸業者を壊滅させます。雪子の死によって心に傷を負いながらも、信は仲間たちと共に新たな公演ツアーに旅立つというラストシーンが描かれています。

最後に

『進め!ジャガーズ 敵前上陸』は、音楽とアクション、コメディが見事に組み合わさった作品で、ザ・ジャガーズの魅力が存分に発揮されています。今もなお、1960年代の日本映画における貴重な遺産として、視聴者に愛され続けている映画と言えるでしょう。

もう一度検索