逸見重雄

逸見重雄の生涯

逸見重雄（へんみ しげお、1899年7月2日 - 1977年10月16日）は、日本の社会運動家および経済学者です。北海道出身で、後に法政大学の名誉教授として知られることになります。彼の経歴は、社会科学の発展に寄与した活動と、政治的な変遷が複雑に絡み合っています。

学生時代と戦前の活動

逸見は1923年に東京帝国大学経済学部に入学しますが、1925年には京都帝国大学へ転学しました。在学中、岩田義道とともに社会科学研究会を立ち上げ、研究活動に力を入れました。しかし、1926年には治安維持法違反の容疑で検挙され、大学を中退せざるを得ませんでした。この事件は、彼の若き日における社会運動活動の象徴と言えるもので、政治的な困難に直面することとなります。

その後、彼は1933年に日本共産党中央委員となり、財政部長としても活動しました。ところが、同年12月にはスパイ査問事件に巻き込まれ、翌年には再度検挙されます。獄中生活を経て転向した逸見は、その後一時的に保釈され、太平洋協会での仏領インドシナに関する研究を行いました。

戦後の教育活動

1945年に戦後が訪れると、彼は中央労働学園大学で教授として新たなキャリアを築き始めました。この大学は1951年に法政大学と合併し、逸見は法政大学社会学部の教授に就任します。さらに、彼は社会学部の学部長としても活躍し、その後名誉教授に就任するまでの道を歩みました。彼の教育活動は、社会学に関心を持つ学生たちに多大な影響を与えるものとなりました。

著作とその影響

逸見はまた著作家としても知られ、様々なテーマについて執筆しました。代表的な著作には、『佛領印度支那研究』や『帝国主義と民族民主革命 - ベトナム問題を中心として』などがあり、特にアジア地域の経済資源や政治動向についての考察が評価されました。彼の考えや理論は、当時の日本社会において重要な位置を占めていたため、後の研究者たちにとっても貴重な参考資料となっています。

最後の時代

1977年10月16日、逸見重雄は77歳でこの世を去りました。彼は生涯を通じて、社会運動と教育活動を通じて多くの人々に影響を与え、社会的な変革の一端を担った人物として後に語り継がれることでしょう。彼の業績は、単なる個人の歴史にとどまらず、日本の近現代における社会運動や教育のあり方を広く照らすものとして重要な意味を持ち続けています。

逸見重雄の影響力は、彼が関わった機関や著作を通じて、今なお多くの人々に伝えられています。

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