遊星爆弾

遊星爆弾：地球を襲った惑星間攻撃兵器

『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する遊星爆弾は、ガミラス帝国が地球に対して行った惑星間攻撃兵器です。小惑星や隕石を地球に衝突させることで、壊滅的な被害をもたらしました。単なる破壊兵器というだけでなく、ガミラス人の生存に適した環境を作るための、地球環境改造計画の一環としての側面も持っています。

初期の攻撃では、無数の小惑星や隕石が地球に降り注ぎ、海は蒸発し、地表は放射能で汚染されました。生き残った人類は地下都市に身を潜めて抵抗を試みましたが、汚染は地下にも及び、絶滅の危機に瀕しました。冥王星前線基地からの攻撃は一日数十発にも及び、地球は壊滅寸前に追い込まれていました。しかし、ヤマトによる冥王星基地の壊滅によって、遊星爆弾の攻撃は終結を迎えます。

ゲーム作品における設定

ゲーム作品では、遊星爆弾の具体的なメカニズムが設定されています。PlayStation版『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』では、小惑星の前に人工的に生成されたマイクロブラックホールの重力によって、小惑星に運動エネルギーを与え、地球に衝突させるという設定が採用されました。また、PlayStation 2版『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』では、デスラーがイスカンダルの暴走を制御する方法として、遊星爆弾の原理を応用することを提案する場面があります。

『宇宙戦艦ヤマト2199』における設定

『宇宙戦艦ヤマト2199』では、遊星爆弾の設定に新たな要素が加えられています。エッジワース・カイパーベルト天体に存在する微惑星を、反射衛星砲で推進力を与え、地球に衝突させるという設定です。本作では、地球侵攻当初は使用されておらず、火星での艦隊戦敗北後に、艦隊作戦からの代替策として考案された兵器であるという設定になっています。

興味深いのは、微惑星内部に環境改造用の植物の種子が埋め込まれており、衝突と同時に散布されるという点です。これらの植物は、胞子を放出し、地球の大気をガミラス人に適した環境に変化させる役割を担っています。そのため、『宇宙戦艦ヤマト2199』では、放射能汚染という設定は存在しません。さらに、地球側は「型式MN3」など、遊星爆弾に型式番号を付与しており、形状も従来の球形から不定形に変更されています。

松本零士作品における類似兵器

『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの生みの親である松本零士氏の他の作品にも、遊星爆弾と類似した兵器が登場します。漫画『宇宙海賊キャプテンハーロック』では、無数の発熱飛行物体が現れ、ハーロックが「遊星爆弾の一種か？」と問いかける場面があります。

漫画『新竹取物語 1000年女王』では、惑星ラーメタルがアフリカ大陸1.5倍もの巨大な大陸船を地球に突入させ、その破片を隕石として地球に落とすという、質量兵器としての描写があります。映画版では、無数の隕石が東京に落下し、大災害を引き起こすシーンがあり、遊星爆弾を彷彿とさせます。

『新宇宙戦艦ヤマト』では、ダークィーンが放った「遊星爆弾モドキ」が北極海に落下するも、影響は限定的でした。アニメ『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』にも、メテオシェルと呼ばれる類似兵器が登場し、ラーメタルの反乱軍が使用しています。

その他

大和田秀樹氏の漫画『ムダヅモ無き改革』では、月に逃れたナチス・ドイツが保有するレールガンの砲弾が「遊星爆弾」と呼ばれています。このように、遊星爆弾は単なる架空兵器という枠を超え、様々な作品に影響を与え、解釈が変化しながらも、その破壊力と地球環境改造計画というコンセプトは、多くのクリエイターにインスピレーションを与え続けています。

まとめ

遊星爆弾は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおいて、ガミラス帝国の残虐性と、その侵略の目的を象徴する兵器です。その設定は、作品ごとに微妙な差異がありながらも、地球に対する圧倒的な破壊力と、環境改変計画という側面が強調され、物語に大きなインパクトを与えています。様々な作品における類似兵器の存在も、遊星爆弾という概念が、SF作品における普遍的な脅威として認識されていることを示しています。

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