運送取扱営業

運送取扱営業について

運送取扱営業（うんそうとりあつかいえいぎょう）とは、商法に基づき、物品の運送を自らの名義で取次ぐ事業形態を指します。この営業形態を行う者は「運送取扱人」と呼ばれ、委任契約の一種として位置付けられています。具体的には、運送取扱営業は貨物利用運送事業や港湾運送業など、さまざまな運送関連業務に関連しています。

運送取扱営業の特徴

運送取扱営業は、物品運送に関する取次業務であり、実際に物品や旅客を直接運ぶ運送営業とは異なる点が重要です。運送取扱人は、取次業務を行うことによって、自らが運送責任を負わない場合も多く、便利でより専門的なサービスを提供する役割を果たします。たとえば、コンビニエンスストアでの荷物の取り次ぎ業務は、運送取扱営業とは異なり、運送責任を伴わずに運送を行います。

運送取扱人の権利と義務

運送取扱人には、民法上の委任契約に基づく権利と義務が定められています。具体的には、以下のような義務と権利が存在します。

主な義務

1. 善管注意義務：運送取扱人は、業務を行う際に善良な管理者の注意をもって行動する義務があります。この義務は、取扱人が委託された物品の管理について責任を持つことを意味します。
2. 損害賠償義務：万が一、運送取扱人が業務を怠ることにより損害が発生した場合、損害賠償責任が発生します（商法第560条以下）。

主な権利

運送取扱人は、その役割を果たすために以下の権利を有しています。
1. 報酬請求権：運送取扱業務に対する報酬を請求する権利があります（商法第512条）。
2. 費用償還請求権：業務を行うにあたって発生した費用について償還を求める権利があります（商法第559条2項、商法第552条2項、商法第650条2項）。
3. 留置権：報酬が支払われない場合、運送取扱人は物品を留め置く権利があります（商法第562条）。
4. 介入権：運送契約に必要な場合、介入することができる権利があります（商法第565条）。

関連項目

運送取扱営業は、貨物利用運送事業法や国際的な運送業界でのフォワーダーの概念とも関連があります。これらの知識は、運送産業を理解する上で重要です。運送取扱人は、単なる仲介者としてだけではなく、物流の流れを円滑にする重要な役割を担っています。

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