道の駅千枚田ポケットパーク

道の駅千枚田ポケットパークは、石川県輪島市白米町に位置し、主要幹線である国道249号に面する道の駅です。この道の駅は、国の名勝として名高い「白米千枚田（しろよねせんまいだ）」の美しい棚田景観を間近に、そして眼下に楽しむために設けられた休憩・観光施設であり、その名の通り、白米千枚田に寄り添うように佇んでいます。

施設は、駐車場、トイレ、そしてレストハウスを主な構成要素としています。特に駐車場は、2013年11月9日に拡幅工事を経てリニューアルオープンしており、現在は普通車49台、身体障害者用2台、大型車（観光バス等）5台の計56台が駐車可能です。これにより、多くの観光客やドライバーが安心して利用できるようになりました。トイレは24時間利用可能で、男性用（大2器、小3器）、女性用（5器）、身体障害者用（1器）が整備されています。

レストハウスは午前9時から午後6時まで営業しており、施設内部は「里山コーナー」と「里海コーナー」に分かれています。「里山コーナー」では、白米千枚田に関連する商品をはじめ、能登の里山で育まれた特産品や、地域の食材を使った飲食・土産品を提供しています。一方、「里海コーナー」には地元商店の小島商店が出店し、テイクアウト可能な軽食や、能登の里海で獲れた海産物などの土産物が購入できます。道の駅の最大の魅力は、隣接する展望台から望む白米千枚田の雄大な景色です。この展望台からは、海に向かって階段状に広がる千枚田の壮大なパノラマを一望でき、日本の原風景とも称される景観を心ゆくまで堪能できます。四季折々の表情を見せる棚田は、訪れる人々に感動を与えています。

施設の管理体制としては、駐車場の管理は石川県が、レストハウスの管理は輪島市が行っています。また、施設全体の運営については、公益財団法人白米千枚田継承保存協議会が指定管理者として委託を受け、白米千枚田の保存活動と連携しながら、道の駅の維持管理および来訪者へのサービス提供を行っています。

アクセスは、自動車を利用する場合は登録路線である国道249号を経由します。公共交通機関を利用する際は、輪島駅前より北鉄奥能登バスの町野線に乗車し、「白米千枚田」バス停で下車すると、道の駅はバス停の目の前にあります。周辺には、活気あふれる輪島朝市や、奇岩・奇勝が連なる曽々木海岸など、能登半島を代表する観光地が点在しており、これらの観光ルートを巡る際の休憩拠点としても重要な役割を果たしています。休館日はなく、年間を通じて利用が可能です。

特筆すべきは、2024年1月1日に発生した能登半島地震による影響です。この地震により、周辺の国道249号は広範囲で土砂崩れや路面被害が発生し、交通網が寸断されました。その結果、道の駅に立ち寄っていた観光客や住民など、最大79名が孤立状態に陥りました。孤立した人々は、同年1月3日以降、ヘリコプターによる救助活動によって順次避難を完了しました。また、地震からの復旧作業を進めるため、損壊した国道249号の復旧工事期間中には、2024年2月26日より、全国で初めて道路法の「防災拠点自動車駐車場」の規定に基づき、道の駅の駐車場の一部で利用制限が行われました。これは、緊急車両や工事関係車両の活動スペース確保を目的とした異例の措置でした。地震の甚大な被害を受けながらも、当道の駅は地域の復旧・復興に向けて重要な機能を担っています。

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