道の駅芸能とトキの里

道の駅芸能とトキの里

新潟県佐渡市吾潟にかつて存在した「道の駅芸能とトキの里」は、主要地方道である新潟県道65号両津真野赤泊線沿いに設けられていました。この施設は、2009年に主要な機能が停止され、その後2019年をもって全面的な閉鎖に至った道の駅です。ただし、これは単純な廃止という扱いではなく、同じ佐渡市内の両津夷地区に2020年5月に開駅した新たな拠点、「道の駅あいぽーと佐渡」への機能的な移転として位置づけられています。

概要

佐渡島の海の玄関口である両津港から、県道両津真野赤泊線（通称「南線」）を南へ進んだ場所に位置していました。特に、県内最大の湖沼である加茂湖のすぐほとりにあったため、かつて施設内に設けられていた展望台食堂からは、湖の美しい水面や周囲の景色を広く見渡すことができ、訪れる人々に親しまれていました。また、施設の道路を挟んだ向かい側には国の重要文化財にも指定されている本間家能舞台があり、文化的な景観にも恵まれていました。施設自体には有料の能楽館が併設されており、そこでは当時の技術を用いたロボットが演じる薪能「道成寺」のダイジェスト版を鑑賞できるという、ユニークな試みも行われていました。

しかし、施設の運営に深く関わっていた佐渡汽船の経営状況が悪化した影響を受け、道の駅はその機能を縮小せざるを得なくなります。2009年1月15日をもって、それまで提供されていた物産品の販売施設や体験施設、そして眺望が自慢だった展望大食堂など、主要なサービスは停止されました。この時点以降は、道の駅としての機能は駐車場とトイレの利用に限られることとなりました。その後、閉鎖された建物は新潟国際芸術学院によって買収され、2011年6月3日には「新潟国際芸術学院佐渡研究院」として再活用が図られています。そして最終的に、道の駅としての位置づけは2019年の全面閉鎖をもって終了しました。

かつての施設

閉鎖前の情報によれば、道の駅として以下のような施設が整備されていました。

駐車場
普通車：98台
大型車：20台
身障者用：2台
トイレ (いずれも24時間利用可能)
男性用：大 6器、小 18器
女性用：17器
身障者用：1器
公衆電話：1台

また、物産販売や体験等に関連する施設として、以下の名称が挙げられています。（これらの一部または全部が2009年の機能停止対象に含まれると考えられます。）

佐渡広域食品流通センター
体験施設「イルクオーレ」（営業時間：9時 - 16時）

管理・休館日

道の駅としての管理は佐渡市が行っていたとされています。かつて存在した佐渡広域食品流通センターや体験施設「イルクオーレ」については、年末年始の他に、佐渡広域食品流通センターとイルクオーレは毎週日曜日、佐渡広域食品流通センターのみは毎週水曜日が休館日でした。

アクセス

道の駅は新潟県道65号両津真野赤泊線に面していました。

周辺

佐渡トキ保護センター
* 椎崎温泉

「道の駅芸能とトキの里」は、佐渡の自然や文化に触れる拠点としての役割を担っていましたが、運営上の課題を経てその役目を終えました。現在その機能は、新たに開駅した道の駅あいぽーと佐渡へと引き継がれています。

もう一度検索