道後湯之町

愛媛県松山市と道後温泉：道後湯之町の歴史

道後温泉は、愛媛県松山市に位置する、古くから名高い温泉地として知られています。その温泉地を含む地域には、かつて道後湯之町という自治体がありました。本稿では、道後湯之町の歴史について詳細に見ていきます。

道後湯之町は、1889年（明治22年）12月15日、町村制の施行に伴い、旧温泉郡道後村の一部を分離する形で誕生しました。初代町長には伊佐庭如矢氏が就任しました。町の成立当初から、道後温泉は町の重要な財産であり、経済を支える中心的存在であったと考えられます。

町の区域は、その後も変遷を繰り返します。1923年（大正12年）4月1日には、温泉郡道後村の一部を編入し、町の規模を拡大しました。しかし、この編入によって、道後湯之町は松山市に完全に囲まれた形となりました。 同年、町域の一部が松山市に編入されるという出来事も起こっています。

1932年（昭和7年）2月1日、1923年に編入された地域が松山市に編入されました。これにより、道後湯之町は松山市に四方を囲まれるという地理的な状況となりました。同年10月には、森盲天外氏が町長に就任。森氏は、それまで温泉郡余土村の村長を務めていた人物であり、道後湯之町においても町政を最後まで担いました。

道後湯之町の歴史は、1944年（昭和19年）4月1日に幕を閉じます。この年、道後湯之町は松山市に編入され、自治体としての存在を消滅しました。短い歴史でしたが、道後温泉を中心とした地域社会を形成し、発展に貢献したことは間違いありません。

道後湯之町の主な名所旧跡

道後湯之町には、歴史的価値の高い名所旧跡が数多く存在していました。中でも最も有名なのは、道後温泉とその中心施設である道後温泉本館です。古くから人々に親しまれ、現在も多くの観光客が訪れる愛媛を代表する温泉地です。

その他にも、冠山や宝厳寺といった、歴史と文化を感じさせる場所がありました。また、1924年に開設された道後グラウンドも、地域のスポーツ・レクリエーションに重要な役割を果たしていたと考えられます。これらの名所旧跡は、道後湯之町の豊かな歴史と文化を物語っています。

道後湯之町出身の著名人物

道後湯之町出身の著名な人物として、栗林力吉氏が挙げられます。栗林氏は、米子市議会議員、鳥取県議会議員、そして栗林組会長を務めた人物です。地元にとどまらず、幅広い分野で活躍した人物が輩出されたことも、道後湯之町の歴史の一側面でしょう。

まとめ

道後湯之町は、明治時代後期から昭和時代中期にかけて存在した、愛媛県温泉郡にあった町です。道後温泉を擁する町として、独自の歩みを続けましたが、時代の流れの中で松山市に編入され、その歴史に幕を閉じました。短い期間ではありましたが、道後温泉を中心とした地域社会の発展に貢献した歴史は、未来へと引き継がれていくでしょう。 道後温泉という観光資源、そして、そこで暮らした人々の歴史は、今も松山市の一部として大切に受け継がれています。

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