道明寺天満宮

道明寺天満宮の概要

道明寺天満宮（どうみょうじてんまんぐう）は、大阪府藤井寺市にある歴史深い神社で、特に梅の名所として知られています。境内には約80種、800本の梅の木があり、梅の花が咲く季節には多くの参拝者が訪れます。また、同神社は「大阪みどりの百選」にも選ばれており、地域の自然美を楽しめる場所としても親しまれています。

祭神

道明寺天満宮の祭神は以下の通りです。

• - 菅原道真公（すがはらみちざねこう）
• - 天穂日命（あめのほひのみこと）
• - 覚寿尼公（かくじゅにこう）：菅原道真公のおばに当たる人物で、道真に深い影響を与えました。

歴史

道明寺天満宮の歴史は古く、垂仁天皇32年に野見宿禰が土師の姓と共にこの地を賜り、日向神社を創建したことが始まりです。この土師氏は後に菅原氏や大江氏などが分流し、さらに土師寺が建立されると、後に道明寺と改称されました。平安時代、菅原道真は叔母である覚寿尼と共に土師寺を訪れており、彼の詩にも登場しています。

昌泰4年（901年）、道真が大宰府に左遷される途中、道明寺に立ち寄った際には、覚寿尼との別れを惜しんだと伝えられています。道真から受け継がれた品々は神宝として大切に保管され、そのうち6点が国宝に指定されています。947年には、道真の号にちなんで土師寺が道明寺に改称され、さらに天満宮も創建されました。

時が経つにつれて、道明寺は学問の神としての信仰を集め、地域の人々から崇敬されるようになりました。1575年には、高屋城の戦いで社殿や五重塔が焼失しましたが、織田信長からの寄進によって再興されました。174石の社領を有し、江戸期には幕府からも寄付を受けました。

1872年、神仏分離に際して、道明寺の二之室が神職家となり、天満宮は土師神社へ改称されました。1873年には道明寺が分離移転し、1877年には明治天皇が行幸される際には行在所となりました。1952年に再度、道明寺天満宮と呼ばれるようになり、現在でも地域に根付いた信仰を受けています。

宮司

1852年以降、南坊城家が代々宮司を務めており、特に南坊城梓は道明寺天満宮の基盤を築いた重要な存在です。

境内の見どころ

境内には、美しい本殿や幣殿、拝殿が立ち並んでいます。

• - 宝物館：約200点の歴史的な神宝を収蔵・展示する場所。
• - 梅園：春には梅の花が咲き誇り、多くの人が訪れます。
• - 五重塔跡：残る礎石は、かつての壮麗さを示しています。特に、菅原道真の伝説に基づく土俵も設置されています。

祭事

道明寺天満宮では、様々な祭事が行われています。

• - うそかえ神事（1月25日）：道真が無数の蜂から人々を救った故事にちなむ行事。
• - 菜種御供大祭（3月25日）：菅原道真の大宰府下向中のエピソードに基づく神事です。

文化財

道明寺天満宮には多くの文化財が保存されています。国宝には菅公遺品や銀装革帯などがあり、重要文化財には笹散蒔絵鏡匣があります。大阪府指定の有形文化財や藤井寺市指定の文化財も豊富です。

アクセス

道明寺天満宮へのアクセスは、近鉄南大阪線の道明寺駅から徒歩約3分と大変便利です。また、周辺には古い古墳や八幡宮などの歴史的なスポットも点在しています。特に道明寺粉として知られるお土産は、覚寿尼公に由来があると言われています。道明寺天満宮は、ただの神社ではなく、深い歴史と文化を持った特別な場所です。地元の人々に長年愛され続けているこの神社を訪れて、たくさんの美しい梅や歴史的な建物を楽しんでください。

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