遠藤一平

遠藤一平（えんどう いっぺい）は、1974年9月6日に東京都中野区で生まれた日本の映画監督です。日本映画監督協会の会員としても活動しています。

彼の映画制作の旅は、小学3年生の頃に8ミリフィルムで短編作品を作り始めたことから始まりました。高校時代には自主制作映画に本格的に取り組み、その才能は数々の学生映画祭での入選や受賞という形で認められました。19歳の時には単身でニューヨークへ渡り、異文化に触れながら見聞を広げました。帰国後、玉川大学芸術学科芸術表現コースに進学し、絵画と舞台制作という異なる分野からも芸術表現への理解を深めました。1997年には東京映像芸術学院に入学し、映像制作の専門的な学びを深めています。

1995年から1999年にかけての期間は、遠藤氏にとって非常に多角的な活動を展開した時期でした。舞台演出、ファッションショー、絵画展や写真展の開催、そして自身の映画制作や自主上映など、表現の場を限定せず積極的に活動しました。この時期には、原将人監督の『20世紀ノスタルジア』といった作品にもスタッフとして参加するなど、他作品との関わりも持っています。また、映画界の巨匠である相米慎二監督の追悼公演「東京上空いらっしゃいませ」ではプロデュースを手掛け、さらに野村萬斎氏による狂言会「森羅万象」の舞台効果映像の演出を務めるなど、活動の幅は映画だけに留まりませんでした。

監督としてのキャリアは、2002年にスカパーで放送された短編ドラマ『東京ノイズ』全1クールを演出したことから本格的にスタートしました。その後、劇映画の制作にも力を入れ始め、2009年には新人スタッフ育成企画として立ち上げられた映画「DT」に携わっています。2010年には、撮影わずか2日前に急遽脚本が示されたという異例の状況で、映画『彩愛』（主演：井上うらら、金子賢）の監督を務めました。2011年には築地本願寺で開催された「うたまいピンクリボン祭」での映像演出（出演：水野美紀、島田陽子）を手掛けるなど、様々なイベントでの映像演出も行っています。

学生時代から制作した多数の映像作品は、都内のクラブイベントを自身で主催しながら上映するというユニークな形で発表されてきました。このような活動は、彼の作品が持つ独特の視点や表現スタイルとも繋がっていると言えるでしょう。

これまでに監督した主な作品には、以下のものがあります。

2000年：『ヒトミゴクウ』(未完作品)
2001年：『ニルアドミラリ』
2003年：『記憶の庭』
2004年：『海馬の森』（『記憶の庭』を長編化した作品）
2005年：トワイライトファイルシリーズ『幻』(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に招待)
2006年：『忍 エボリューション』、『HEART BEAT FREAKS』
2007年：『約束の地に咲く花』、『ハケンジコウ』、『姦C（カシマシイ） THE 映画』
2009年：『DT』（脚本・編集を担当。公開は未定）
2010年：（TV作品）歌セラ（「避難カラオケ」「BleeeeN」「唄を忘れたカナリア」「盛り下げる男」など複数回を担当）
2011年：『彩愛 -saiai-』（2012年1月公開）
2012年：『アスペルガーレイヴ』（公開未定）
2014年：『プラシーボ』、ショートフィルム「Time to say goodbye」（自主制作）
2017年：『観測者効果』
2021年：『ひとつの空』

遠藤一平氏は、幼い頃から培ってきた映像への情熱と、舞台や絵画など多様な芸術分野での経験を活かし、ジャンルにとらわれない柔軟なスタイルで作品を発表し続けている映画監督です。今後の活動にも注目が集まっています。

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