選書

選書（せんしょ）とは

選書とは、同じ装丁で発行される本のシリーズや叢書を指します。この形式は一般向けに出版され、特に新書に比べて多様な分野にわたる内容を扱っている点が特徴です。扱うテーマに関してはより専門的で独自性の高い論説を集めていることが多いです。

概要

選書の起源は「書物を選び集めたシリーズ」であり、各出版社でのフォーマットは主に四六判並製（19cm）で統一されています。たとえば、新潮選書や過去に刊行されていた筑摩叢書は、同じデザインで本を揃えている一方で、その他の選書では基本的なフォーマットは保ちつつも、表紙デザインは各巻ごとに異なる写真やテーマに沿ったイラストを使うことがあります。

単行[[本]]を選書化するシリーズも存在し、著名な筑摩叢書では名著の廉価再版が行われていました。また、角川選書や朝日選書もこの形での刊行が見られました。現在では、再刊の受け皿として講談社学術文庫や平凡社ライブラリーなどが活発に機能しており、従来の選書を見かけることは少なくなっています。多くの場合、現在出版される選書はオリジナルの書き下ろし作品ですが、新潮選書や朝日選書では、雑誌に連載されていた作品をまとめて出版することもあります。例えば、小谷野敦の『日本売春史』がその一例です。

過去の文庫化概況

以前は、選書を文庫化する動きはあまり見受けられませんでした。過去には阿部次郎の『三太郎の日記』が角川選書となり、その後文庫化されたこともありますが、20世紀末の時点でちくま学芸文庫が筑摩叢書のいくつかを文庫化したり、新潮文庫が新潮選書収録の『戦後史の空間』や『人間通』を再刊した事例がありました。21世紀に入ると、長らく品切れとなっていた講談社選書メチエや新潮選書、NHKブックスはそれぞれ、講談社学術文庫や平凡社ライブラリーで再び刊行されることがありました。

新しい選書シリーズ

2009年には河出書房新社が、2010年には筑摩書房が新たに選書シリーズを開始するなど、選書は進化を続けています。また、「選書」というタイトルは必ずしもその名称に限らず、「叢書」や「全書」といった名称も使われています。このため、特に角川学芸出版や中央公論新社などでは、選書と叢書が別に刊行され、両者の違いがわかりにくくなる場合も見られます。

選書の一覧

• - 朝日選書（朝日新聞出版）
• - NHKブックス（NHK出版）
• - 角川選書（KADOKAWA）
• - 講談社選書メチエ（講談社）
• - 新潮選書（新潮社）
• - 筑摩選書（筑摩書房）

専門分野の選書

• - 戎光祥選書ソレイユ（戎光祥出版）
• - 言語・文化選書（開拓社）
• - フィギュール彩（彩流社）

従来の選書や廃刊情報

• - 岩波全書や岩波現代丛書（岩波書店）
• - 学研科学選書（学研教育出版）
• - 河出ブックス（河出書房新社）

このように、選書は時代の変遷や出版動向とともに進化してきました。今後も新たなテーマや形式を持った選書が登場し、読み手に新しい知識や視点を提供していくことが期待されます。

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