那智わたる

那智 わたるの生涯と舞台

那智わたる（なち わたる、1936年10月20日 - 2023年7月21日）は、日本の宝塚歌劇団で特に知られる星組のトップスターであり、女優としてもその名を広めました。大阪府大阪市に生まれ、1952年に宝塚音楽学校に入学。翌年には卒業し、宝塚歌劇団に入団しました。入団時の成績は64人中5位という優秀さを示し、彼女の活躍が期待されました。

彼女の活動初期では、月組からキャリアをスタートし、その後星組と月組を移動し汗を流しました。特に、月組では藤里美保、内重のぼるとともにトリプルトップを務め、魅力ある存在感を発揮しました。そして最終的には星組の単独男役トップスターへと昇格し、多くのファンに支持されました。トップ在任中は、彼女と共に「マル・サチ・オソノ（藤里）」の時代と称され、多くの舞台でその才能を発揮しました。

1968年6月30日をもって宝塚歌劇団を退団し、その後は演劇専科に進出しました。退団後も舞台芸術において活躍を続け、数々の舞台に出演。特に『風と共に去りぬ』ではスカーレット・オハラ役を演じて高い評価を得ました。また、『マイ・フェア・レディ』ではイライザ役としても知られ、多才な女優ぶりを見せました。

那智は1979年に元郵政大臣の佐藤文生と結婚。私生活でも充実した日々を送りました。また、2014年には宝塚歌劇団創立100周年を記念し、初の100人に選ばれたことを誇りに思っていました。

約70年にわたる彼女の舞台浸透力と献身は、多くのファンに愛されてきたことからも明らかです。彼女は少なくとも60を超える主要舞台作品に出演し、その多くが宝塚での公演でした。特に1960年代から1970年代にかけての舞台では、彼女の存在が舞台を明るく照らしていました。

晩年まで舞台の一線で活躍し続けた那智わたるは、多くの人々に感動を与え、その死をもって日本の演劇界が一つの時代を終えたと感じさせる存在でした。2023年7月21日、彼女は86歳の生涯を終えました。

彼女の功績は、今も多くのファンの心の中に生き続けています。那智わたるは、宝塚歌劇団の魅力と美しさを体現した象徴として、その名を永遠に残すでしょう。

もう一度検索