那沙美 (敷設艇)

那沙美の概要

概要

那沙美（なさみ）は、日本海軍に属する敷設艇であり、夏島型敷設艇の第三艇目です。この艦は、広島湾の近くにある大那沙美島と小那沙美島に由来した名前を持ち、過去には「那沙美丸」と名付けられた雑役船も存在していました。また、海上自衛隊には同名の掃海母艇があり、その水道名にも影響を与えています。

建造と艦歴

那沙美は1932年（昭和7年）12月10日に命名され、当初は「第三号敷設艇」という仮称で計画されました。同日には二等敷設艇として登録され、1933年（昭和8年）1月19日に播磨造船所で起工しました。その後、1934年（昭和9年）3月26日に進水を迎えましたが、竣工は予定よりも遅れ、1934年9月20日にようやく完了しました。

建造中には友鶴事件の影響で復元性能の改善工事が行われており、艦は呉鎮守府に登録され、呉防備隊に所属しました。

主な任務

那沙美は、1935年7月には大阪商船「緑丸」の沈没事故後の捜索活動に参加したことで名を馳せました。支那事変や中支方面作戦にも従事し、太平洋戦争の開戦時には対潜哨戒や機雷敷設、船団護衛の任務を担いました。

1943年4月1日には鎮海警備府に派遣され大連・旅順を拠点に船団護衛や機雷敷設を行いましたが、同年11月以降は第八根拠地隊に配属され、横須賀からトラック湾へ移動しました。1944年にはラバウルに進出し、その地でも船団護衛を続けました。

沈没とその後

しかし、1944年4月1日、ラバウルにおいて敵機約140機の襲撃に遭い、那沙美は沈没しました。この事件は、艦艇類別等級表からその後削除され、同日中に除籍されたことを意味しています。

艤装員長

艦長には吉井五郎大尉が1934年から艤装員長を務め、艦の運用にあたっていました。

同型艇

那沙美と同型の艦艇には「夏島」と「猿島」があります。

参考文献

那沙美についての詳細な情報は、様々な文献から得られています。中でも海軍省による『海軍制度沿革』や、著名な著作者が書いた艦艇関連の資料などが引用されています。

結論

那沙美は、日本海軍の敷設艇として重要な役割を果たし、数々の歴史的な出来事に関与してきました。その艦歴は、艦艇の運用や日本海軍の戦略を理解するための貴重な資料となっています。

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