那須・塩原号

那須・塩原号：東京都と栃木県を結ぶ高速バス路線

はじめに

「那須・塩原号」は、東京都渋谷区のバスタ新宿と栃木県那須塩原市を結ぶ昼行高速バス路線です。JRバス関東と関東自動車が共同運行しており、那須塩原エリアの観光拠点である那須温泉、塩原温泉、西那須野駅、さらには那須ハイランドパークへのアクセスを提供しています。本稿では、路線の開設から現在に至るまでの歴史、運行系統、運行会社、利用方法、そして関連情報について詳しく解説します。

開設の経緯と歴史

「那須・塩原号」の前身は、JRバス関東西那須野支店で運行されていた「もみじ号」です。当初は会員制でしたが、高い人気から定期路線化され、増便されました。その後、「那須リゾートエクスプレス(NRX)」として系統を刷新。さらに、2013年には現在の「那須・塩原号」へと愛称が変更されました。運行開始から現在まで、利用者のニーズや交通事情の変化に合わせて、運行経路や便数の調整、愛称の変更などが行われ、現在に至っています。

特に、JRバス関東が支店ごとの独立採算性を重視していたことから、「もみじ号」の開設は、東京支店への乗務員送り込みの効率化が目的の一つでした。この路線は、観光需要を取り込みつつ、運行効率の向上にも貢献したと言えるでしょう。また、スキーブームの終焉により冬季のハンターマウンテン塩原スキー場への延長運転は中止されました。

2019年には、那須ハイランドパークを結ぶ新系統「那須ハイランドパーク号」も運行を開始しました。これにより、より多くの観光客の利便性向上に貢献しています。2009年にはJRバス関東の担当便が佐野支店に移管され、2010年には国際医療福祉大学（大田原市）への延長運転が廃止されました。

運行会社と系統

「那須・塩原号」は、JRバス関東（佐野支店）と関東自動車が共同運行しています。JRバス関東は那須温泉系統と塩原温泉系統の一部便を担当し、関東自動車は那須温泉系統、西那須野系統、そして「那須ハイランドパーク号」を担当しています。

運行系統は大きく分けて以下の通りです。

那須温泉系統（アグリパル塩原経由）: バスタ新宿から那須温泉を結ぶ主要系統。途中のアグリパル塩原では一般路線バスとの乗り継ぎが可能です。
那須温泉系統（お菓子の城経由）: 那須温泉へのもう一つの系統で、お菓子の城を経由します。
塩原温泉系統: バスタ新宿から塩原温泉を結ぶ系統。
西那須野系統: バスタ新宿から西那須野駅を結ぶ系統。
* 那須ハイランドパーク号: 東京駅から那須ハイランドパークを結ぶ系統。

各系統とも佐野SAで休憩をとります。また、東京都内および栃木県内のみの利用は原則としてできませんが、空席がある場合、那須温泉系統の一部区間や「那須ハイランドパーク号」の一部区間は利用可能です。

運行回数と歴史的な変遷

平日は那須温泉系統4往復、西那須野系統1往復、土休日は那須温泉系統4往復、塩原温泉系統1往復、西那須野系統1往復が運行されています。「那須ハイランドパーク号」は特定日に1往復運行されます。

運行開始当初は会員制でしたが、定期路線化を経て、現在に至るまで、便数調整や経路変更、愛称変更などが繰り返されてきました。東日本大震災による運休や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による運休なども経験しています。

利用方法とその他情報

「那須・塩原号」では、学割運賃が設定されています。また、過去には那須や塩原の観光地とセットになったお得な周遊券も販売されていました。

現在、乗車券は発車オーライネットでネット購入が可能です。運行車両は両社とも40人乗りトイレ付きハイデッカー車です。

まとめ

「那須・塩原号」は、東京都と栃木県那須塩原市を結ぶ重要な高速バス路線です。観光客の利便性向上に貢献するだけでなく、運行会社にとっても効率的な運行を実現する役割を担っています。今後も、地域社会のニーズに合わせて、変化していく路線となるでしょう。

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