那須平成の森

那須平成の森：豊かな自然と歴史が息づく空間

那須平成の森は、栃木県那須町の日光国立公園内、標高1364mの飯盛山東南麓に広がる自然公園です。2011年（平成23年）に開園し、豊かな自然と歴史的背景を併せ持つ、魅力あふれる場所として多くの人々を惹きつけています。

皇室ゆかりの秘境から国民の憩いの場へ

かつてこの地は、1926年（大正15年）に開かれた那須御用邸の一部として、長年にわたり皇室の保養地として利用されてきました。一般人の立ち入りが制限されていたため、自然環境は極めて良好に保たれていました。バブル景気期の開発の波にもさらされず、ブナの原生林をはじめとする豊かな生態系が守られてきたのです。1997年から2001年にかけて行われた栃木県立博物館の調査では、この森に希少な動植物が生息していることが確認され、その価値の高さが改めて認識されました。

中でも、登山者以外立ち入ることができない渓谷に隠された「駒止の滝」は、その神秘的な景観から「幻の滝」とも呼ばれ、訪れる人の心を魅了します。

明仁天皇（当時）の意向を受け、国民が自然と触れ合う場として活用するため、御用邸用地の約半分にあたる560ヘクタールが宮内庁から環境省に移管されました。その後、自然環境のモニタリング調査や施設整備、遊歩道の整備などが行われ、2011年の開園に至ったのです。

多様なゾーンと魅力的な施設

那須平成の森は、いくつかのゾーンに分けられ、それぞれ異なる魅力を提供しています。

ふれあいの森: 一般開放されたゾーンで、自由に散策を楽しめます。自然体験を通して、この地の豊かな自然を肌で感じることができます。（ペット同伴はできません）
学びの森: より深い自然体験を求める人のためのゾーンです。那須平成の森フィールドセンターでガイドウォークを申し込み、「インタープリター」と呼ばれるガイドの案内付きで散策できます。貴重な動植物や生態系について専門的な知識を学ぶことができます。
那須平成の森フィールドセンター: 公園の中核となる施設です。那須平成の森に関する展示や情報提供に加え、学びの森への入場の申し込みもここで行います。ふれあいの森へも、この施設を経由して入ります。大型バスで訪れる際は、事前に連絡が必要です。

園外施設：周辺エリアの見どころ

那須平成の森周辺にも、魅力的な施設が点在しています。

駒止の滝: 幅約3m、落差約20mの滝です。観瀑台は滝から700m離れた場所に位置し、那須平成の森の駐車場からアクセスできます。
那須高原ビジターセンター: 那須平成の森の開園に合わせてオープンした案内施設です。電気自動車用の急速充電器も設置されています。
八幡つつじ群落: 環境省の「かおり風景100選」や栃木県の「栃木県景勝100選」にも選ばれた、美しいツツジの群落です。遊歩道が整備され、散策が楽しめます。
県立那須高原自然の家: 宿泊施設も備えた施設です。
つつじ吊橋: 八幡ツツジ群落と殺生石を結ぶ無料の歩行者用吊り橋です。

アクセス

那須平成の森、那須平成の森フィールドセンター、那須高原ビジターセンターは比較的新しい施設であるため、古い地図やカーナビゲーションシステムには記載されていない場合があります。那須御用邸と検索しても、一般公開エリアとは異なる場所が表示される可能性があります。公式ウェブサイトのアクセス方法を確認の上、お出かけください。

車：東北自動車道那須ICまたは那須高原SAスマートICから約35分
バス：東北新幹線那須塩原駅、東北本線黒磯駅から那須ロープウェイ路線バス利用、または新宿発着の高速バス那須・塩原号利用。バス停から各施設まではタクシーが必要になります。

那須平成の森は、豊かな自然と歴史、そして現代的な施設が融合した、魅力的な空間です。ぜひ、足を運んでその魅力を体感してみてください。

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