那須政資

那須政資の生涯と貢献

那須政資（なす まさすけ）は、戦国時代における著名な武将であり、那須氏の18代当主です。彼は那須氏17代当主・那須資房の子として生まれ、元服の際に古河公方・足利政氏から名を賜ったことから、政資と名乗るようになりました。

政資は、下那須家に所属しながらも、永正11年（1514年）に上那須家が内紛により断絶したことで、新たに上那須家の当主として擁立されました。この擁立は、彼の祖母が那須明資の娘であったことが背景としてあり、血縁的なつながりが強調された局面でもありました。彼は、父の隠居後に那須家の当主の職を引き継ぎました。

彼の統治の時期、周囲の勢力との対立が頻繁に発生しました。特に、上那須家の実兄である結城顕頼や、支援を受けていた岩城常隆といった近隣の勢力としばしば衝突し、武力闘争を繰り広げました。政資は、クーデターや内乱において那須氏を戦国大名へと昇進させようと努めましたが、彼の治世は決して平穏無事ではありませんでした。

永正6年（1509年）から始まった永正の乱は、古河公方家の内紛として展開され、結果として那須家にも悪影響を及ぼしました。政資は、敵対勢力である大関宗増が擁立した高資と対立し、さらに烏山城を手中に入れられ、家督を奪われる事態にまで至りました。しかし、政資は上那須地方に抵抗を続け、最終的に那須家の再分裂を招く結果になりました。

1617年（1520年）には、岩城由隆や白河結城氏の攻撃を受けますが、父・資房の助けにより、縄釣原で岩城軍を撃退することに成功しました。続く大永元年（1521年）、岩城由隆が再度資房の城を攻めますが、資房は烏山城に退くことで撤退させました。政資はまた、常陸国の佐竹氏の仲介により岩城常隆の娘を正室として迎え入れ、家の安定を図りました。

天文8年（1539年）には、宇都宮尚綱や佐竹義篤、小田政治の援軍を受け、息子の高資が拠る烏山城を攻撃するなど、彼の影響力を強化し続けました。晩年においては動向が必ずしも明確ではありませんが、天文13年（1544年）頃には高資との和解を果たし、隠居したとの説が有力です。さらに、天文15年7月23日（1546年8月19日）に死去したと考えられています。

また、天文18年（1549年）には宇都宮尚綱と手を組み、高資を攻撃したものの、喜連川五月女坂の戦いでの敗北により自害に追い込まれるという説も存在します。

このように、那須政資の生涯は、内乱や政治的な陰謀が交錯する厳しい戦国時代を反映したものであり、彼の名は現在でも歴史に刻まれています。彼の統治年代は、那須氏の歴史において重要な位置を占めており、多くの史料で語られています。

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