那須郡

那須郡について

那須郡（なすぐん）は、栃木県に位置する郡で、2024年の推計によると人口は36,680人、面積は565.12平方キロメートルです。この地域は、那須町（なすまち）と那珂川町（なかがわまち）の2つの町から構成されています。

郡域の変遷

1878年に行政区画として発足した当初の郡域は、現在の大田原市や矢板市、那須塩原市、さくら市、那須烏山市を含んでいました。ただし、矢板市とさくら市の地域は後に塩谷郡に編入され、郡の境界もいくつか変更されました。

古代史

那須郡の歴史は古代に遡ります。景行天皇の時代から7世紀末には、こちらの地域は那須国造の統治下にありました。飛鳥時代には、那須国造の一族である那須韋提が評督として活躍しました。この時代の名残が、多くの歴史的地名や文化に色濃く残っています。

郡衙跡

那須郡の郡衙跡は、那珂川町小川の梅曽に位置する那須官衙遺跡で発見されています。この遺跡は8世紀から10世紀にかけてのもので、合流地点近くの段丘上に設けられています。発掘調査からは倉庫と見られる建物や、行政機関の痕跡が見つかり、1976年には国の史跡に指定されました。

郡寺と式内社

那須郡には浄法寺廃寺があり、ここもまた歴史的な寺院の遺構が残されています。この浄法寺廃寺は7世紀中葉に創建されたとされ、那須官衙遺跡と並んで重要な文化財とされています。また、『延喜式』神名帳に記された式内社も、当郡内に存在し、地域の信仰の歴史を物語っています。

中世から近代にかけて

中世・江戸時代には、那須衆と呼ばれる領主たちがこの地域で力を持っていました。明治時代に入ると、那須郡は各種の行政区画の変遷を経て、町村制が施行され、いくつかの町と村が新たに設立されました。

現在の那須郡

現在、那須郡は那須町と那珂川町の2つの町から構成されていますが、これまでの変遷を経て本来の行政区画がほぼ確立されています。この地域は、自然豊かな観光地であり、那須高原や那須野が原などの名所が広がっています。また、古代からの文化が色濃く残る地域でもあり、訪れる人々に歴史の深さを感じさせます。

那須郡は、風光明媚な自然と豊かな歴史を兼ね備えた地域であり、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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