郡 (アメリカ合衆国)

アメリカ合衆国の郡について

郡（ぐん、英語: county）は、アメリカ合衆国における地方行政区分の一つであり、州と基礎自治体の中間の位置に位置しています。通常、州の下位行政区分として機能しており、その権限や自治体との関わり方は、州によってさまざまです。基本的には、複数の市町村やその他の行政単位を内部に含んでいますが、例外的なケースも存在します。

郡の構成と行政組織

多くの郡には、郡長や郡議会、郡役所などの地方行政機関が設けられています。一般的な郡は、警察や保安官事務所を含む既存の行政組織を持つことが多いですが、コネティカット州やロードアイランド州の郡は、行政機関の権限を持たない単なる地図上の区分として存在するに過ぎません。逆に、ハワイ州では郡が下位の行政単位を持たず、相当な自治権を行使しています。

郡の数と種類

アメリカの50州のうち、実に48州には郡（county）が存在します。総数は3007郡におよび、郡と同等の地域も合わせると3141に達します。例外として、ルイジアナ州とアラスカ州には「county」という名称の行政単位がないものの、ルイジアナ州にはパリッシュ（parish）、アラスカ州にはボラ（borough）があって、これらもcounty-equivalent（郡と同等の地域）として扱われます。

通常、アメリカ全土で見られる郡の数は約3088で、州ごとに見ると平均すると62郡が存在します。郡の数は、フロリダ州が新設した12郡を除き、1920年代からほとんど変化していないのが特徴です。

市と郡の関係

郡は、通常は複数の市町村を含む構造ですが、時には市が郡と同じ規模にまで合併することがありえます。また、単一の市が複数の郡にまたがる場面も少なくありません。例えば、ニューヨーク市は5つの郡を内包していますが、それでも両方の行政機関が機能しています。市と郡が行政を統合することで、効率的な運営を目指す流れもあり、フロリダ州のジャクソンビルやカリフォルニア州のサンフランシスコなど、こうした取り組みは広がっています。

郡の統計

アメリカ合衆国の中で最も面積が大きい郡はアラスカ州ノーススロープ郡で、229,736平方キロメートルを超えています。最も小さい郡はハワイ州のカラワオ郡で、わずか31平方キロメートルです。また、カリフォルニア州ロサンゼルス郡は人口が最も多く、2020年の国勢調査では1000万人を超える住民が確認されています。その一方で、テキサス州ラヴィング郡は最少人口で、わずか64人との記録があります。

まとめ

このように、アメリカ合衆国の郡は多様な行政単位で構成されており、州ごとにその機能や権限の仕組みが異なります。郡と市町村の関係は複雑でありながらも、行政機能の向上を目指して様々な工夫がなされています。これらの知識を持つことで、アメリカでの行政区画の理解が深まることでしょう。

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