郡司明郎

郡司明郎（ぐんじ あきお）は、1947年5月8日生まれ、東京都出身のコンピュータエンジニア、経営者、実業家です。彼はアスキーの元社長・会長として、日本のコンピュータ業界の発展に大きく貢献しました。

千葉工業大学を卒業後、郡司はコンピュータアプリケーションズ（CAC）でコンピュータエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。1976年、彼は雑誌『I/O』の創刊に参加し、翌1977年には西和彦、塚本慶一郎と共に株式会社アスキー出版を設立しました。アスキーは、コンピュータ関連の専門書籍の出版から事業を始め、日本におけるベンチャー企業の先駆けとして知られています。

郡司は、共同創立者の西や塚本よりも年長であったため、出版やソフトウェアビジネスなどの個別のビジネスは主に西と塚本に任せ、自身は社長として会社全体の経営に注力し、二人を支える役割を担いました。彼のリーダーシップの下、アスキーは急速に成長し、コンピュータ業界における重要な存在となりました。

1987年、郡司は社長職を西に譲り、会長に就任しました。しかし、1991年、経営方針を巡る対立から塚本と共にアスキーを去ることになります。アスキー退任後、郡司は塚本と共同でインプレスを設立しました。インプレスは、インターネット関連の情報提供サービスを中心に事業を展開し、成功を収めました。郡司は1999年よりインプレスホールディングスの監査役を務めましたが、2013年に退任しています。

郡司明郎は、日本のコンピュータ業界の黎明期から活躍し、アスキーの設立と成長に大きく貢献しました。彼の経営手腕と先見の明は、日本のIT産業の発展に多大な影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

* 古川享『僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史』 インプレスR＆D、2015年

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