郤芮

郤 芮（げき ぜい）について

郤芮（げき ぜい、？ - 紀元前636年3月）は、中国春秋時代において晋国の宰相を務めた人物です。彼は郤文の孫であり、父親は郤豹、兄弟には郤称や郤義がいます。彼の生涯は非常に波乱に満ちたもので、特に政争や謀略が頻出します。

亡命と帰国

郤芮の政歴は彼の知恵と策略に彩られています。ある時、献公が屈邑の夷吾を攻撃しました。その際、夷吾は敵に逃げようとしましたが、郤芮は「狄には重耳がいるため、秦の後援を得るためには梁に逃げる方が賢明だ」と進言しました。結果として夷吾は、彼の助言に従い梁に逃亡することになりました。

紀元前651年、夷吾は帰国を果たすために決意を固めました。この時、秦の公子縶が献公の弔問に訪れ、「国を取得するのは常に喪の時であり、その機会を逃すべきではない」とアドバイスしました。郤芮も再び夷吾に「亡命者は清廉であってはならず、帰国を目指すべきだ」と促し、夷吾はその意見に従い帰国を決意しました。こうして夷吾は晋公となりました。

悪政の波紋

郤芮は晋の宰相に就任すると、恵公に反対する大夫を次々と排除し、恵公に対する自らの影響力を強めました。さらに、帰国の際に約束した汾陽の邑を与えず、里克を自殺に追い込むなどの冷酷な政権運営を行いました。また、秦との約束事項であった河外の領土の割譲を拒否しました。このような彼の悪政策から、敵対勢力である丕鄭が郤芮たちを暗殺する計画を立てましたが、郤芮はそれを察知し、呂甥・郤称と共に彼らを排除しました。

その後、周の襄王が使者を送り、晋国に対する勅命を発令しましたが、郤芮は礼を欠いた態度を示しました。これに不満を持った使者は、「晋は滅びるだろう」と告げました。

重耳の帰国

紀元前636年、秦が重耳を帰国させるために動き出し、各地の大夫が降伏。これにより郤芮は重耳の帰国を承認しました。ところが、重耳が即位すると、郤芮は彼に殺されることを恐れ、焦りから反乱を計画しました。子の郤缺や手勢と共に公宮を襲撃しようとしましたが、密告により文公を逃してしまいました。

結果的に、郤芮は討伐され、黄河のほとりで処刑されることになります。彼の死によって郤氏の系統は一時的に断絶しましたが、子の郤缺が後に許され、再び郤氏は繁栄を取り戻すことになります。

結論

郤芮の生涯は政治的陰謀と策略、そしてその暗い結末を象徴しています。彼の行動により、晋国は一時的に不安定となりましたが、その後の郤家の復活が物語るように、彼の影響は日本の歴史においても重要な役割を果たしました。

もう一度検索