部埼灯台

部埼灯台（へさきとうだい）

部埼灯台は福岡県北九州市の門司区、企救半島北東端に位置し、瀬戸内海の周防灘に面した高台に立つ大規模な石造灯台です。この灯台は、周辺の早鞆瀬戸の潮流を示す信号所が隣接しており、多くの観光客に親しまれています。

歴史的背景

部埼灯台は、1867年に発効した大坂条約に基づいて設置されることが決まりました。この条約は、江戸幕府の最後の年にあたるもので、外国船の安全を確保するために重要な役割を果たしました。日本の明治新政府がこのプロジェクトを引き継ぎ、設計は「灯台の父」として知られるリチャード・ヘンリー・ブラントンが担当しました。1872年に灯台の建設が完了し、関門海峡の東部に位置するこの灯台は、航路の安全を見守る重要な存在となりました。

文化的価値

部埼灯台は文化的にも高い評価を受けており、Aランクの保存灯台として、日本の灯台の中でも特に価値があるものとして選ばれています。2020年には国の重要文化財に指定され、その保存状態や歴史的な意義が広く認識されています。

灯台の設立から現在まで

灯台の建設は1871年に始まり、1872年1月22日に石油灯による初点灯が行われました。その後、1895年にはフランスから輸入した回転式レンズへと改修されました。1945年には、灯台近くで輸送船「梅丸」が沈没する事件が発生しました。1981年からは無人化され、現在の形式が続いています。

1998年には「あなたが選ぶ日本の灯台50選」に選出されたことから、全国的な注目を集めました。

災害と復旧

2016年には登り口の石段が崩落し、灯台周辺は一時立入禁止となる事態が発生しましたが、その後の復旧工事により、翌年の12月には立入禁止が解除されました。また、2024年には灯台上部のガラスにひびが入っているのが発見され、文化財保護法違反の疑いで捜査が行われる事例もありましたが、同年中に修理が施されました。

見学情報

部埼灯台は年に一度、一般公開される機会があります。通常は関係者以外の内部立ち入りは制限されていますが、外観は訪問者に自由に楽しむことができます。最寄りの交通手段は西鉄バスの「白野江」バス停となりますが、このバス停からは灯台まで3km以上の距離がありますので、来訪を計画される方は十分な時間を確保することをおすすめします。

まとめ

部埼灯台は、美しい瀬戸内海の風景に溶け込みつつ、長い歴史を持つ灯台として、地域の文化と航海の安全を支える重要なシンボルです。訪れる人々に、その歴史的な価値と景観の美しさを伝え続けています。

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