部落解放全国委員会

部落解放全国委員会について

部落解放全国委員会（ぶらくかいほうぜんこくいいんかい）は、戦後の同和運動において重要な役割を果たす団体の一つです。その起源は全国水平社にあり、同団体は部落民の権利向上を目指して活動してきました。特に、部落解放に向けた団結と広範な運動が推進されてきた点が特徴です。

設立の経緯

1946年2月19日、全国水平社の指導者や関連団体のメンバーが京都市の新聞会館に集まり、全国部落代表者会議を開催した際にこの委員会は結成されました。この会議には23府県から240人が参加し、松本治一郎や朝田善之助、北原泰作らが主要な発起人として名を連ねました。新しい組織名を全国水平社から引き継がなかった理由として、部落民の多様な意見や立場を超えた、より包括的な参加を促進するために、大同団結の具体化を目指したことが挙げられます。

翌日の2月20日には、部落解放人民大会が行われ、様々な政党の代表者が出席して挨拶をしました。これにより、部落解放運動はより広い視野を持つようになり、多くの人々の支援を受ける基盤が築かれました。

運動の変遷

部落解放全国委員会は、設立当初の差別者個人への糾弾から、1951年のオールロマンス事件を受けて行政への糾弾闘争へとシフトしました。この変化は、部落差別を単なる偏見の問題として捉えるのではなく、資本主義社会の政治経済構造に起因する問題として理解する立場を採ることに繋がりました。これにより、運動の目的とアプローチが根本的に見直され、より大きな政治的変革を求める方向へ向かうこととなります。

重要な大会と改称

1955年8月、部落解放全国委員会は大阪市中之島公会堂にて第10回大会を開催し、その時に「部落解放同盟」と改名しました。この名称変更は、従来の「委員会」という表現が、部落民の代表組織としての選良性を示唆しているとの認識から来ており、あくまで広範な民衆運動であることを明確にするためのものでした。この新しい名称は、部落全体の解放に向けた力強い団結を表すものとなり、より多くの人々に運動の重要性を伝える手段ともなりました。

おわりに

部落解放全国委員会は、戦後の同和運動の中で多様な課題に取り組んできました。歴史的背景を持ちつつも時代の変化に柔軟に対応し、大衆運動としての性質を強めてきた団体です。変革を求める過程で、社会における制度的な偏見や差別と対峙し続けることが期待されています。

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