郭鋐

郭鋐（かく こう）は、明代中期の武将で、生年は不明ながら1509年に没したと記録されています。字を彦和といい、廬州府合肥県出身です。

彭城衛指揮使の職を継承した郭鋐は、成化初年に起こった荔浦県の反乱鎮圧でその武名を上げ、都指揮僉事に昇進しました。その後、武挙に合格し、都指揮同知へと転じます。張懋の推薦により、都勝に代わって揚州府に駐屯し、倭寇の侵攻に備えました。1486年（成化22年）には参将となり、都勝とともに運河の監督を担いました。

弘治年間には、副総兵として広西に赴任し、府江で発生した少数民族の反乱を鎮圧するなどの軍功を挙げました。1494年（弘治7年）には都督僉事を代行し、漕運総兵官に任命されました。

郭鋐は、水利事業にも強い関心を持っていました。1499年（弘治12年）、副使の張鼐が提唱した沁河治水の意見を参考に、武陟県木欒店から荊隆口までの開削工事を提案し、沁水を賈魯河に導き、徐淮へと流す計画を立てました。しかし、この提言は鄒魯らの反対により、実現には至りませんでした。

同年、郭鋐は都督同知に進み、1507年（正徳2年）には北京に召還され、後府に勤務することになります。1509年（正徳4年）に亡くなりました。

『明史』の郭鋐伝では、彼の官歴が57年に及んだことを特筆しています。また、趙翼の著書『陔余叢考』でも、郭鋐は「仕宦最久」の人物の一人として取り上げられており、その長い官吏としてのキャリアが強調されています。郭鋐は、武将としての活躍に加え、水利事業への熱意を持っていた人物として、後世に名を残しています。

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