趙翼
趙翼について
趙翼（ちょう よく）は、1727年12月4日に生まれ、1814年6月5日に亡くなった、中国清代の著名な考証学者です。彼の学識は、その広範囲にわたる研究と著作に裏打ちされており、特に「二十二史箚記」などの歴史書の編纂において重要な役割を果たしました。趙翼は常州府陽湖県に生まれ、商人の家庭で育ちましたが、その後の彼の運命は学問と勤務によって大きく変わりました。
彼は乾隆帝に認識され、軍機処の役職に就く栄誉を得ました。乾隆26年（1761年）には進士に合格し、乾隆31年（1766年）には鎮安府の知府に任命されました。しかし、彼は本来殿試一甲第一（状元）として評価されるべき立場にありながら、同時に受験した王杰という受験者の特別措置により、結果的に第三位（探花）となってしまいました。この結果、彼は宰相への道が閉ざされ、翰林院勤務という運命を辿ることとなりました。
翰林院では、『通鑑輯覧』という重要な歴史書の編纂に従事し、その後は地方官としての職務を経験しました。ただし、彼の努力にもかかわらず、なかなか報われることはありませんでした。母の病気の看病を理由に官を辞し、故郷に帰ってからは『二十二史箚記』や他の歴史書の執筆に専念しました。乾隆52年（1787年）には、旧知の閩浙総督の李侍堯と関わりを持ち、林爽文の乱の鎮圧に貢献しましたが、その功績には十分な報酬がなかったとされています。
主要な著作
趙翼の著作は数多く、この時代の歴史学に多大な貢献をしています。彼の主な著作には次のものがあります：
- - 『陔余叢考』：彼の学問的な探求を示す作品であり、考証学の観点からの重要な資料です。
- - 『二十二史箚記』：中国の二十二史に関する重要な考証や解説をまとめた著作。
- - 『甌北詩鈔』：詩に関する彼の見解や考察を収めた作品。
- - 『檐曝雑記』：日常の観察や思索を基にした雑記帳のような作品です。
彼の著書は、清代の学問の発展だけでなく、考証学の基盤を築いたことでも特筆に値します。また、彼の著作は今でも中国史や文学を学ぶ上での重要な資料として利用されています。
参考資料
趙翼に関する情報は、以下の文献にて確認できます：
彼の学問的遺産は、現在も中国の歴史学界において重要視されており、その影響力は時代を超えて存続しています。
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