郵船ロジスティクス

郵船ロジスティクス株式会社について

郵船ロジスティクス株式会社（Yusen Logistics Co., Ltd.）は、日本のメインロジスティクス企業であり、国際航空と海上貨物フォワーダーとして名を馳せています。東京都品川区に本社を構え、多数の国内外拠点を持つ同社は、2020年3月時点で日本国内に82の拠点、海外41カ国512拠点、さらに世界全体で594拠点を展開しています。

会社の位置付けと業務内容

現在、国内のフォワーダー業界では、売上高で日本通運、近鉄エクスプレスに次ぎ3位、また海上貨物の取扱量でも同様に3位を誇ります。主な業務は航空貨物の取り扱いにシフトしつつあり、集配、保管、梱包、通関手続きなど一貫した物流サービスを提供しています。

また、海上輸送にも重点を置き、物流拠点の機能強化やサプライチェーンと連携したコンサルティングサービスを展開するなど、幅広いでの物流ニーズに応えています。2020年からは、サプライチェーン・ソリューション事業を新たに加え、4つの事業を基盤とする形で事業を進めています。

歴史と変遷

郵船ロジスティクスの起源は1955年に設立された旅行業および航空貨物業を目的とした企業にさかのぼります。1970年代には国際的な拠点を築き始め、その後1980年代から1990年代にかけての急成長期を経て、さまざまな事業統合や提携を通じて規模を拡大してきました。とりわけ、2006年にヤマトロジスティクス株式会社と提携、さらに2007年にはスイスのパナルピナグループとの包括的な協力契約を結ぶことで国際的な競争力を強化しました。

2010年には、日本郵船グループの子会社として統合し、郵船ロジスティクス株式会社として新たなスタートを切りました。そして2017年には完全に日本郵船の傘下となり、より一層の連携と効率的な運営を目指す体制を構築しました。

経営理念とビジョン

2017年には企業の経営理念が刷新され、その後の中長期経営計画「TRANSFORM 2025」も策定されました。「私たちはロジスティクスを通じて人々、ビジネス、社会をつなげ、より良い未来を創造します」というビジョンのもと、サービスの質の向上を重視し、常に新しい価値を創出することに努めています。

企業の価値観としては、“CONNECTED”、“COMMITTED”、“CREATIVE”という3つのキーワードに基づき、オープンで信頼されるパートナーとして、そして期待を超えるイノベーションを志向しています。

国内外拠点と高度な物流ネットワーク

同社は日本国内でも82の拠点を持ち、成田、横浜、名古屋、大阪など主要都市に支店を展開しています。また、グローバルに見ても、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アジアを含む45の国々に、多数の現地法人や駐在所を設けており、ロジスティクスサービスにおいて高い評価を得ています。特に、千葉県の成田ロジスティクスセンターなど高機能の物流拠点を保有し、大規模かつ効率的な運営を行っています。

課題と取り組み

歴史の中で、郵船ロジスティクスにはカルテル問題や不正輸入に関する不祥事もありましたが、コンプライアンスの強化を図り、再発防止策を実施しています。顧客信頼の回復とともに、透明性の高いビジネス運営を心掛けています。

まとめ

かつての旅行業から現在の国際物流企業へと成長してきた郵船ロジスティクスは、国内外で幅広いネットワークを構築しつつ、サプライチェーン全体の効率性向上に寄与しています。企業理念を基に持続的な成長を目指し、さらなる利便性向上を追求し続けています。

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