郷ひろみデラックス

郷ひろみデラックス：アイドル黄金期の軌跡を刻んだ2枚組ベストアルバム

1975年6月1日、CBS・ソニーレコードより発売された『郷ひろみデラックス』は、歌手・郷ひろみのキャリアにおいて重要な位置を占める初のベストアルバムです。前作『HIROMI ON STAGE〜よろしく哀愁〜』から約半年後、そして、ジャニーズ事務所からの独立という大きな転機を挟んでリリースされた本作は、デビューから3年間の活動の集大成として、2枚組という豪華な仕様で発表されました。

本作は、彼の初期楽曲を網羅したベスト・セレクションとして、当時彼の音楽を愛した多くのファンを魅了しました。シングル曲を中心に構成されており、その中にはヒット曲はもちろんのこと、アルバム未収録だった楽曲も含まれています。しかし、シングル曲の中でも「天使の詩」のみが未収録という点も、このアルバムの特筆すべき点と言えるでしょう。この選曲には、郷ひろみ自身の音楽的成長と、今後の活動への展望が反映されているのかもしれません。

オリコンチャートでは初登場8位を記録し、デビューから6作連続トップ10入りという快挙を達成しました。これは、当時絶大な人気を誇った郷ひろみの実力を改めて示す結果となりました。このアルバムは、単なる楽曲の集大成ではなく、彼のアイドルとしての地位を確固たるものとした、まさに転換期を象徴する作品と言えるでしょう。

楽曲内容：多彩な魅力が詰まった2枚組

Disc 1とDisc 2、それぞれに彼の初期の代表曲、そしてアルバム初収録となる隠れた名曲たちが収録されています。

Disc 1は、アップテンポで爽やかな楽曲から、しっとりとしたバラードまで、彼の幅広い歌唱力を堪能できる選曲となっています。「花のように鳥のように」「魅力のマーチ」「愛への出発」「裸のビーナス」「モナリザの秘密」といった代表曲に加え、「太陽のシャワー」「五月の恋人たち」「わるい誘惑」「セーターに愛をこめて」といったシングルカップリング曲やアルバム収録曲も収録されています。これらの楽曲は、彼の若いエネルギーと、繊細な感情表現を余すことなく感じさせてくれます。

Disc 2では、「よろしく哀愁」「小さな体験」「男の子女の子」「花とみつばち」といった、彼の初期を代表するヒット曲が収録されています。また、「夢をおいかけて」「せのびした16才」「ふりむいた君」「悲しみをわけて」「僕たち」「この愛はどうなる」「愛の教室」「不思議な子」といった、シングルカップリングやアルバム収録曲も収録され、彼の音楽的才能の多様さを改めて認識させてくれます。「よろしく哀愁」はNET系列ドラマ『ちょっとしあわせ』の主題歌にも起用され、広く聴衆に彼の音楽を届けるきっかけとなりました。

まとめ：時代を彩ったアイドルの軌跡

『郷ひろみデラックス』は、単なるベストアルバムという枠を超え、1970年代の音楽シーン、そして郷ひろみ自身のキャリアにおいて、大きな意味を持つ作品です。デビューから3年間の集大成であり、ジャニーズ事務所からの独立という新たな出発点でもあります。このアルバムに収録されている楽曲の数々は、彼の音楽的才能と、時代の雰囲気を鮮やかに映し出しており、今もなお、多くのリスナーを魅了し続けています。このアルバムは、郷ひろみというアーティストの軌跡をたどる上で、欠かせない1枚と言えるでしょう。当時を知る世代はもちろん、新たな世代のリスナーにとっても、郷ひろみの魅力に触れる絶好の機会となる作品です。

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