HIROMI ON STAGE〜よろしく哀愁〜

郷ひろみ、初のライブアルバム『HIROMI ON STAGE〜よろしく哀愁〜』：若き日の輝きと時代の息吹

1974年12月10日、CBS・ソニーレコードから発売された『HIROMI ON STAGE〜よろしく哀愁〜』は、日本の音楽史に燦然と輝く、郷ひろみにとって初のライブアルバムです。前作『ひろみの朝・昼・晩』から約半年という短いスパンでのリリースは、当時勢いに乗っていた彼の精力的な活動を象徴しています。

このアルバムに収録されているのは、同年10月20日、大阪PLランドで行われた彼の初となるワンマンライブの音源です。20歳という若さで、満員の観客を前に繰り広げられた、熱気と興奮に満ちたステージの様子が、鮮やかに蘇ります。バックバンドには、実力派のフォー・ジェッツが参加。彼らの卓越した演奏が、郷ひろみの歌声をさらに際立たせています。

楽曲は、郷ひろみの代表曲はもちろんのこと、洋楽カバーも数多く収録されており、当時流行していた音楽トレンドを反映した選曲が特徴です。レッド・ツェッペリンの『移民の歌』のインストゥルメンタルバージョンをオープニングテーマに起用するなど、大胆な試みも見られます。エルトン・ジョンの『ツイストは踊れない』、ウイングスの『ジェット』、グラディス・ナイト＆ピップスの『イマジネーション』、そしてオズモンズの『THAT'S MY GIRL』と『UTAH』の日本語版カバーなど、多様な音楽性を披露しています。さらに、つのだ☆ひろの『メリー・ジェーン』も収録。これらのカバー曲は、郷ひろみの個性的な解釈と歌唱力で、新たな魅力を放っています。

オリコンチャートでは初登場4位を記録。デビューからの5作連続トップ5入りという快挙は、彼の圧倒的な人気と才能を証明するものです。このアルバムは、ジャニーズ事務所在籍時の彼の最後のアルバムという、重要な意味も持っています。

『HIROMI ON STAGE〜よろしく哀愁〜』は、単なるライブアルバムにとどまらず、1970年代前半の日本の音楽シーン、そして若き日の郷ひろみの魅力を凝縮した、歴史的な一枚です。彼の歌声、パフォーマンス、そして選曲一つ一つから、当時の時代の空気が伝わってくるようです。このアルバムは、郷ひろみというアーティストの軌跡を辿る上で、欠かすことのできない重要な作品と言えるでしょう。当時を知る世代には懐かしい思い出を呼び起こし、若い世代には新鮮な驚きと感動を与える、そんな魅力に満ちたアルバムです。当時を知る者も知らない者も、彼の歌声とパフォーマンスに酔いしれることができるでしょう。

収録曲は以下の通りです。

1. オープニング・テーマ（レッド・ツェッペリン『移民の歌』インストゥルメンタルバージョン）
2. ツイストは踊れない（エルトン・ジョン）
3. よろしく哀愁
4. 夢を破らないで
5. ジェット（ウイングス）
6. イマジネーション（グラディス・ナイト＆ピップス）
7. メリー・ジェーン（つのだ☆ひろ）
8. 裸のビーナス
9. モナリザの秘密
10. THAT'S MY GIRL（オズモンズ　日本語版カバー）
11. 花とみつばち
12. UTAH（オズモンズ　日本語版カバー）
13. 君は特別
14. 小さな体験

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