郷村 (石川県)

郷村の歴史と地理

郷村（ごうむら）は、かつて石川県の石川郡に位置していた村です。この村の名前は、地元の手取川から分かれる用水である郷用水に由来しています。

地理

郷村は、現在の白山市北部及び野々市市の北西部にあたる地域にありました。旧・松任市の東側に広がる平野部に位置し、周囲には広大な田んぼが広がっていました。この地は、国道8号と国道157号が交差する重要な交通の要所でもありました。さらに、南郷川（七ヶ用水）が村内を流れており、農業にとって大切な水源となっていました。

歴史

郷村の成立は1889年4月1日で、その際に石川郡内の複数の村が統合されて新たに発足しました。具体的には、専福寺村、柳町村、番匠垣内村、横江村、田中村、徳用村、蓮花寺村、長池村、二日市村、三日市村、田尻村、堀内村の区域が合併し、石川郡郷村が誕生しました。

その後の1904年11月1日には、松金馬車鉄道（後の北陸鉄道松金線）が郷村の区域を通過し、村の発展に寄与しました。しかし、1955年にこの鉄道は廃止され、その数年後の1956年には、郷村は松任町と野々市町に分割統合され、村としての体を失いました。

交通

郷村内には、日本国有鉄道の北陸本線（現・IRいしかわ鉄道線）が通っていましたが、当時は駅が存在していませんでした。そのため、村民は近隣の駅を利用していました。最近では、旧村域に野々市駅が開業し、交通の便が改善されています。

また、北陸鉄道松金線も村を通り、三日市駅、田中駅、本田中駅、番匠駅などが設けられていましたが、これも1955年に廃止されています。道路網としては、国道8号と国道157号が通り、物流や住民の移動において重要な役割を果たしていました。

まとめ

郷村は、その豊かな自然環境と歴史的背景を持つ村であり、今は廃止されたものの、その跡地には新しい交通施設が整備されています。郷用水から受け継がれた農業の地としての名残は今でも地域に息づいており、かつての姿を偲ぶことができます。郷村にまつわる歴史は、石川県の豊かな文化遺産の一部として、今後も語り継がれていくことでしょう。

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