都の風

都の風（みやこのかぜ）

『都の風』は、1986年10月6日から1987年4月4日まで放送されたNHK連続テレビ小説の第37作です。舞台は主に奈良県で、戦後の時代背景を通じて、ヒロインが成長していく姿を描いています。

あらすじ

物語は、京都の老舗問屋に生まれた三姉妹の末っ子、竹田悠が主人公です。悠は家庭環境に困惑し、家を飛び出して夫の実家である奈良の旅館で働き始めます。彼女の冒険はここから始まります。家族の一員としての役割を果たしながらも、自身の夢であるファッション業界への挑戦をする彼女の姿は、多くの視聴者に勇気を与えました。

この作品は、1965年度の『たまゆら』以来21年ぶりに奈良県が主な舞台に設定されたことでも話題となりました。放送期間が半年に変更されて以降、奈良を舞台とした連続テレビ小説は初めてでした。また、1986年から1987年にかけての平均視聴率は39.3%、最高視聴率は44.9%と非常に高い数値を記録しました。

キャスト

番組には、竹田家を中心とした多くのキャストが出演しており、それぞれのキャラクターが物語を彩っています。ヒロインの竹田悠を演じたのは加納みゆきで、彼女は波乱万丈な人生を歩む少女として描かれました。悠の三姉妹には、長姉の竹田葵（松原千明）や次姉の竹田桂（黒木瞳）、母親の竹田静（久我美子）、祖母の竹田巴（宝生あやこ）などがいます。

吉野家のメンバーとしては、悠の夫、吉野雄一郎（村上弘明）やその両親なども登場し、物語に重要な役割を果たします。また、悠の初恋相手や女学校の友人といったキャラクターも、彼女の人生に影響を与える存在として描かれています。

スタッフ

本作を手がけたのは、脚本家の重森孝子を中心に、音楽は中村滋延が担当しました。演出には門脇正美や加藤郁雄らが名を連ね、技術スタッフとして沼田明夫や大塚邦彦などが参加しました。また、主題歌は「約束の旅 〜帰港〜」という曲で、西城秀樹の歌声が印象的でした。

放送と再放送

『都の風』は、1987年3月18日の放送中に地震が発生し、緊急警報放送が入る事態もありました。また、再放送は2007年10月から2008年3月にかけて行われ、放送ライブラリーでは第1回が公開されています。完全版や総集編のDVDは未発売ですが、そのドラマ性やキャラクターの魅力から、多くのファンに支持され続けています。

まとめ

『都の風』は、ヒロインの成長を描いた感動的な物語であり、見る者に希望と勇気を与える作品です。伝統的な文化と近代的なファッションの融合が見られるこの作品は、当時の視聴者に強い印象を与えました。今なお語り継がれる名作として、多くの人にとって大切な思い出となっています。

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