都田口駅

都田口駅の概要

都田口駅（みやこだぐちえき）は、静岡県浜松市三幸町に位置していた遠州鉄道奥山線の駅であり、1964年に廃止されました。この駅は、元々1914年に浜松軽便鉄道の一部として開業し、当初は都田駅という名称でした。その後、何度か名称が変更されながらも、地域に密着した交通の要所として機能してきました。

歴史的背景

都田口駅は、1914年11月30日に浜松軽便鉄道元城駅と金指駅間の開通時に開業しました。当初の名称は「都田駅」で、1915年には浜松鉄道に社名が変更されたことに伴い、同鉄道の駅となりました。1939年には「都田口駅」と改称され、1947年には浜松鉄道が遠州鉄道と合併したことで、遠州鉄道奥山線の駅として続いていきました。しかし、1964年11月1日、奥山線の廃線に伴って駅も廃止されることとなりました。

駅の構造

廃止時には、都田口駅は相対式ホーム2面2線を擁する地上駅でした。この駅は列車の交換が可能なところであり、互いのホームは千鳥式に配置されていました。また、ホームには構内踏切が設置され、駅舎側のホームと対向ホームがつながっていました。駅舎は構内の西側に位置し、ホームの中央部分に接しており、職員も常駐している配置でした。

朝の通勤・通学時は客車の増解結も行われ、上り列車は上りホームに停車したのち、遠鉄浜松方へ進み下りホームに後退して客車を増結するという運用もありました。

駅の周辺

都田口駅周辺には国道257号や静岡県道391号細江浜北線、静岡県道318号横尾根洗線などの交通路があり、地域の交通の便を支えていました。これにより、駅は地域住民にとって便利な交通手段を提供していました。

駅跡とその後

1997年の時点では、都田口駅の痕跡は完全に消失していました。以降、2007年と2010年に訪れた際も同様に、駅跡は見当たらず、かつての線路跡は広い市道へと改修されていました。特に、銭取駅跡から都田口駅跡近くにかけては、自動車も通れる大きな市道へと転用され、駅の痕跡は完全に失われてしまったのです。

三方原台地を貫いていた曳馬野駅跡から都田口駅跡周辺も、同様に利用されなくなりましたが、当時の歴史を物語る場所として地域住民の記憶に残っています。

総括

都田口駅の歴史は、地域の交通の発展と密接に関連していました。時代の変化と共に駅は廃止されましたが、地域の人々に支えられた歴史的存在であることに変わりはありません。都田口駅の廃止は、鉄道交通の変遷を物語る一つの大きな節目であり、今もなお地元の歴史に名を刻んでいます。

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