都築真紀

都築真紀（つづきまさき、男性、2月16日生まれ）は、日本の著名なシナリオライター、漫画原作者、イラストレーター、そして作詞家として多岐にわたる才能を発揮しています。青森県出身で、現在はSeven Arcsに所属し、数々の人気作品を手がけています。

人物

初期には成人向け漫画やアダルトゲームの企画・脚本・キャラクターデザインなどを中心に活動し、ゲーム内の楽曲の作詞も担当していました。しかし、『魔法少女リリカルなのは』シリーズの成功以降は、アニメの原作・脚本に活動の中心を移しています。かつては少年漫画も手がけていましたが、『とらいあんぐるハート』シリーズのヒットによりアダルトゲーム制作が多忙になり、商業漫画家としての活動を一時休止しました。『リリカルなのは』シリーズ開始後は、同人活動やアダルトゲーム制作を縮小し、Seven Arcsへの所属後はアニメとその周辺展開に注力しています。

都築真紀は、どの媒体においても「キャラクター・ストーリー制作者」としての側面が強く、キャラクター描写を主軸とした物語展開を得意としています。読み方は本来「まさき」ですが、「まさき」「まき」どちらでも良いとしており、一般的には「まさき」と呼ばれることが多いです。好きな野菜はネギ。

ドラマCDの脚本を多く手がけており、『とらいあんぐるハート』や『リリカルなのは』の「サウンドステージ」シリーズでは、毎回1時間近いドラマの脚本を書き下ろしています。同人作家時代にもドラマCDを制作・販売しており、「音だけのドラマには、受け手が心の中で完成させられる独特の魅力がある」と語っています。

作風

ゲームでは現実世界を舞台に、主人公と複数の女性キャラクターによるラブストーリーが多く、アニメや漫画では異世界、SF、超常的な要素を含むシリアスなストーリーが多いのが特徴です。可愛らしい外見の女性キャラクターを主軸に置いた作品が多く、『リリカルなのは』の高町なのはのように、優しく一途な女の子を主人公またはヒロインに据えることが多いです。

クリエイターである前にディレクターという意識を持ち、納期や予算といった制約の中で最良の結果を出すことを重視しています。自身の好みは作品に持ち込まず、評価されている要素を参考に積極的に取り入れる姿勢を持っています。作品の意図やキャラクター表現の最適化を重視し、関わるほぼ全ての作品で脚本を一人で執筆することで、キャラクターや設定、物語の軸のブレを防いでいます。

また、作品の周辺展開（コミック、小説、CDなど）においても、自身が脚本・ネームを手がけるなど徹底した管理を行っています。作中に登場する世界や物品、現象などの設定は細かく行いますが、個々の設定については必要なものを随時追加していくタイプです。公式サイトでのWeb拍手の質問に対して、その場で考えた設定を返すこともあります。DVDブックレットなどに記載される設定集は詳細ですが、「作品制作の為の緻密な設定」というよりは、キャラクターや技術に関する「説明の為の説明・解説」が多いです。

恋愛のいざこざ劇はあまり作品に取り入れず、恋愛描写は陰鬱な要素の少ない、ストレートで心温まる内容が多い一方、「人の死」や「後悔・憎しみ」「運命的な悲劇」といった展開については、残酷な描写も積極的に行います。シリーズ化作品であっても、続編制作時にはカラーを大きく変えることが多く、評価された部分や作品の本質以外は意図的に変えていることを示唆しています。

シリーズ間でキャラクターの外見や役割が大きく変化したり、前作の主要キャラクターがサブキャラクターになることもあります。設定についても、新しい詳細を加えることで解釈が変化したり、実質的に別物になることもあります。シリーズを続けるにあたって、「新規キャラクターが多数追加される」「世界観は継承するが作風や方向性が大きく変わる」「同じ主人公が継投する場合、その主人公の出番や見せ場が減っていく」という傾向がありますが、手がけたシリーズは何れも続編になるほど人気・知名度が大きく高まっています。

経歴

小学校高学年の頃から演劇クラブで脚本を書き始め、中学時代も演劇部に所属していました。女性ばかりだった演劇部の先輩から『宇宙皇子』、『キャプテン翼』、『聖闘士星矢』といった作品やパロディBL作品を知り、そのジャンルの奥深さやラブストーリーとしての純粋さにのめり込みました。高校時代はアルバイトに励み、ラーメン屋で新メニューの提案や売り上げ金の管理をしていました。

漫画を始めたのは、「コミックマーケットのようなイベントでは小説などの文章媒体だけではあまり多くの人に見て貰えず、同じ内容なら漫画の方が多くの人に見てもらえる」と考えたからです。作画担当とのサークルで同人イベントに参加し、編集者に誘われて雑誌デビューしましたが、作画担当が辞めたため、自身で作画も担当することになりました。現在は「時代のレベルについていけなくなった」という理由で絵描きを廃業しています。

ゲーム業界に入ったきっかけは、アイボリーの社長に原画家として誘われたことです。企画書について相談に乗るうちに「全部やってみないか」と言われ、原画だけでなくディレクションや脚本、背景写真の撮影まで担当することになりました。

逸話

『月刊少年エース』で読み切り掲載後に連載が決まりましたが、掲載延期や打ち切りなど、不遇な時期もありました。しかし、現在は角川書店系列の雑誌で漫画原作者として連載を持っており、安定した連載を続けています。

リリカルなのはの情報番組「RadioアニメロミックスラジオStrikerS」では、ほぼ毎回スタジオに足を運び、クイズや早口言葉などの課題を制作したり、収録中にカンペを出したり、リスナーやパーソナリティにいじられたりと、スタッフの一人として活動していました。誕生日に近い収録日に、スタッフがサプライズでケーキを用意していたものの、その回に限って都合がつかず参加できなかったというエピソードもあります。

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